(9日、 フィギュアスケート NHK杯SP) 「たった2年かもしれないが一日一日が長かった。 (この 舞台に)たどりつけてうれしい。 楽しんで滑ることができた」 GPシリーズに初出場した18歳の 山本草太(中京…
(9日、フィギュアスケート NHK杯SP)
「たった2年かもしれないが一日一日が長かった。(この舞台に)たどりつけてうれしい。楽しんで滑ることができた」
GPシリーズに初出場した18歳の山本草太(中京大)がはにかんだ。シニアデビューの2016年、出場予定だったが足首のけがでかなわなかったNHK杯の舞台に立ち、完全復活へまた一歩前進した。
9日の男子ショートプログラム(SP)。演技を終えた山本を観客のあたたかい拍手が包んだ。冒頭のトリプルアクセル(3回転半)を成功。出来栄え点(GOE)で1・94点の加点を引き出した。3回転ルッツは手をついたが、2回転トーループをつけて連続ジャンプに。最後の3回転フリップも決めた。ジャンプが跳べない間に磨いたスピンはすべて最高のレベル4を獲得し、74・98点を出した。
15年世界ジュニア選手権で3位に入るなど次世代エースとして期待された。だが16年3月に右足首を骨折。夏にも再び骨折、手術もしたが、GPシリーズには到底間に合わなかった。
昨季、スケート仲間やコーチらに支えられ、競技に復帰。全日本選手権の予選となる中部選手権は1回転ジャンプのみ。その後、少しずつ跳べるジャンプを増やしてきた。昨年末の全日本選手権では3種類の3回転ジャンプを跳び、9位に入った。
たゆまぬ努力で、今季は8月のアジア・トロフィー(バンコク)でトリプルアクセル(3回転半)を成功させて優勝。 NHK杯にたどりついた。10日にはフリーがある。「もっとトップに食い込めるように成長したい。フリーはプレッシャーのない分、楽しみたい」(浅野有美)