第92回都市対抗野球は1日、1回戦で神戸市・高砂市・三菱重工Westが倉敷市・三菱自動車倉敷オーシャンズに2―1で競り勝ち、2回戦に進んだ。
ストライクゾーンの横幅はホームベースと同じ、わずか43・2センチ。少し手を伸ばせば届く距離だが、たくみの技があれば、 …
第92回都市対抗野球は1日、1回戦で神戸市・高砂市・三菱重工Westが倉敷市・三菱自動車倉敷オーシャンズに2―1で競り勝ち、2回戦に進んだ。 ストライクゾーンの横幅はホームベースと同じ、わずか43・2センチ。少し手を伸ばせば届く距離だが、たくみの技があれば、打者にはるかに広いと感じさせ、惑わせることができる。神戸市・高砂市の先発左腕・森翔平が、相手を術中にはめた。 象徴的だったのが、1点リードの七回2死一、二塁のピンチ、右打ちの鳥井凌を迎えた場面だ。カウント1ストライクから選んだのは「左投手として、こだわってきた」と語る内角の直球。ぎりぎりに決めてあっさりと追い込んだ。続いて選択したのは、逆を突いて外角低めへの直球。直前の球の残像があったのか、鳥井はピクリとも動けず、見逃し三振。森は悠然とベンチに引き揚げた。 「クロスファイア」気味に右打者なら内角、左打者なら外角に投げる森の直球は極めて厄介だ。キレがあるうえ、プレートの一塁側に立って投げ込むため角度がつき、ボール球と錯覚しやすいのだ。 倉敷市も当然、森の直球を警戒し、振り遅れないように対策を積んできた。だが、振る以前に見極められず、混乱するばかり。内外角を使い分けるうえ、チェンジアップを交ぜ合わせ、森は完全に自分のペースに持ち込んだ。 プロ野球の中日などで捕手として活躍し、今季就任した小田幸平ヘッドコーチからも「生命線は右打者の内側への強いストレート」と口を酸っぱくして言われてきたという。そのアドバイスを体現して8回1失点。今秋のプロ野球ドラフト会議で、社会人では最上位タイの2位指名を広島から受けたエースは、その実力をいかんなく発揮した。 第92回都市対抗野球の特集サイト( https://mainichi.