米東部時間6日夜(日本時間7日朝)に開票が始まった米中間選挙では、 続々と当選確実が出た。 共和は上院選の 激戦区で軒並み議席を獲得する一方、 下院では民主から最年少女性議員が生まれる
【ワシントン=中村亮】米東部時間6日夜(日本時間7日朝)に開票が始まった米中間選挙では、続々と当選確実が出た。共和は上院選の激戦区で軒並み議席を獲得する一方、下院では民主から最年少女性議員が生まれることになった。トランプ米政権の経済政策や不法移民対策に審判が下る選挙に関心は高く、若者や学生も投票に多く駆けつけた。
米メディアによると、上院選ではインディアナ州で共和党候補の実業家マイク・ブラウン氏が民主現職のジョー・ドネリー議員を破り当選を確実にした。インディアナは州知事を務めたペンス副大統領のお膝元でトランプ氏も応援に駆けつけ、議席獲得にこぎつけた。テネシー州の上院選でも共和のマーシャ・ブラックバーン下院議員が当選する見通しとなった。
激戦となったテキサス州では共和のテッド・クルーズ上院議員が再選を固めた。2016年の大統領予備選ではトランプ氏を「病的な嘘つき」と罵倒したが、今回はトランプ氏も応援に駆けつけてクルーズ氏のてこ入れを図った。民主候補の新星ベト・オローク氏は社会保障の充実などを掲げて善戦したが敗北した。
6日、米中間選挙で民主党候補者を応援し、盛り上がる支持者たち=米ケンタッキー州=ロイター
一方、ウェストバージニア州では民主現職のジョー・マンチン議員が再選を果たした。同州はトランプ氏が16年の大統領選で42ポイント差で圧勝していたが共和は奪還できなかった。マンチン氏はトランプ氏が指名した連邦最高裁判所判事の保守派ブレット・カバノー氏に賛成票を投じており保守層の支持も得たとみられる。
20年の大統領選への出馬が取り沙汰される民主候補も続々と当選を果たした。マサチューセッツ州ではエリザベス・ウォーレン上院議員、バーモント州では民主党系で日本のような国民皆保険を訴えるバーニー・サンダース上院議員が圧倒的な強さをみせて再選した。
下院選ではバージニア州10区で民主候補のジェニファー・ウェクストン氏が共和現職を下して当選を確実にした。米メディアによると、10区は40年近くにわたり共和が守ってきた牙城だった。ウェクストン氏は支持者との集会で「お互いに尊敬をもって接する、より良い国をつくっていこう」と勝利宣言した。
ニューヨーク州でも民主候補のアレクサンドリア・オカシオコルテス氏の当選が確実になった。同氏は現在29歳で、史上最年少の女性下院議員となる。
米国勢調査局によると、前回の14年中間選挙の投票率は41.9%で61.4%だった16年大統領選よりも20ポイント低かった。ただ、今回はトランプ政権への信任投票という見方が強まり投票率は前回を上回る可能性が高いとみられている。