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研修医の過労自殺 新潟市に1億円超賠償命令 地裁判決

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2016年に新潟市民病院の女性研修医(当時37歳)が過労自殺した問題を巡り、女性の遺族が病院を管理する市を相手取り慰謝料など約1億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、新潟地裁(篠原礼裁判長)は25日、遺族側の主張をほぼ認めた上で、市に約1億600万円の賠償を命じた。
 女性は後期研修医として、15年4月から新潟市民病院の消化器外科に勤務。16年1月、新潟市内で自殺しているのが発見された。新潟労働基準監督署は17年5月、女性の自殺は過重労働が原因だったとして …

2016年に新潟市民病院の女性研修医(当時37歳)が過労自殺した問題を巡り、女性の遺族が病院を管理する市を相手取り慰謝料など約1億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、新潟地裁(篠原礼裁判長)は25日、遺族側の主張をほぼ認めた上で、市に約1億600万円の賠償を命じた。 女性は後期研修医として、15年4月から新潟市民病院の消化器外科に勤務。16年1月、新潟市内で自殺しているのが発見された。新潟労働基準監督署は17年5月、女性の自殺は過重労働が原因だったとして労災認定した。 損害賠償訴訟では、過重労働と自殺との因果関係の有無▽病院を管理する新潟市の安全配慮義務違反の有無――が主な争点となった。 遺族は、労基署の認定などに基づき、女性の時間外労働が月に160時間を超えるなど過重労働が原因でうつ病を発症し、自殺に至ったと主張。女性が15年9月以降、休日は寝たきりになり睡眠薬や精神安定剤を服用していたなどと証言した。一方で市は、女性にうつ病特有の言動が見られず、業務にも支障がなかったとして、うつ病を発症していたとしても自殺の直前だったとして争っていた。 判決で篠原裁判長は、女性がうつ病を発症したのは、遺族が主張する15年9月ごろと認めるのが相当と指摘。「うつ病の発症以外に自殺の原因となるものが認められない」とし、過重労働と自殺との間に因果関係が認められるとした。 さらに判決は、病院が女性の過重労働を把握しており、強度の心理的負荷から女性が精神疾患を発症する可能性を十分認識できたと認定。その上で「労働時間を管理し、業務を軽減するべき義務を怠った」として、市の安全配慮義務違反を認めた。自殺の予見可能性については「過重な業務を把握できたのだから否定されない」と指摘。うつ病の発症は自殺の直前で結果回避可能性はなかったとする市の主張を退けた。 判決を受け、遺族は「裁判の結果がどうであれ亡くなった者は生き返ってこない。残された家族の悲しみや苦しみは消えることはない」と文書でコメントした。さらに「新潟市が責任を認めず、本人や家族に責任を転嫁し続けた」とし、医療従事者に向けて「組織や誰かが自分の命を守ってくれることは期待できない。自分の命や健康を大切にしてほしい。仕事の代替者はいても、命の代替はない」と呼びかけた。 遺族の代理人弁護士は病院に対し「判決を踏まえて責任を自覚し、労働時間を客観的に把握してほしい」と求めた。また、遺族は控訴しない意向であることを明らかにした。 一方、新潟市民病院は「心より哀悼の意を表します。一定の司法判断がなされたことを真摯(しんし)に受け止め対応する」とのコメントを発表。新潟市の中原八一市長は「市の主張の多くの部分が認められなかった。一定の司法判断が出たことを真摯に受け止め、判決内容を精査し対応を検討する。今後も医師の働き方改革について、取り組みを進めていく」とした。 2015年4月 女性が新潟市民病院の後期研修医として採用される 9月ごろ 女性がうつ病を発症(遺族側の主張) 16年1月 女性がうつ病を発症(新潟市側の主張) 1月 女性が新潟市内の公園で自殺しているのが発見される 17年5月 自殺は過労が原因として新潟労基署が労災を認定 6月 労基署が病院に対し長時間労働の改善など求める是正勧告 9月 遺族が新潟地裁に労働審判を申し立てる 10月 遺族が新潟市と市長(女性の死亡当時)、院長(同)を労基法違反で労基署に刑事告発 11月 第1回労働審判。双方の主張が妥結せず、民事訴訟に移行 18年8月 遺族が市を相手取った損害賠償請求訴訟の第1回口頭弁論 19年2月 他の医師に長時間労働をさせ続けていたとして、労基署が市と市長(同)、院長(同)を労基法違反の疑いで新潟地検に書類送検 4月 地検が市と市長(同)、院長(同)をいずれも不起訴処分 21年9月 損害賠償訴訟で地裁が遺族と市に和解案を提示したが不成立に ◇いのちの電話相談 0570-783-556=ナビダイヤル 午前10時から午後10時まで ◇自殺予防「いのちの電話」 0120-783-556(なやみこころ)=毎月10日(午前8時から~11日午前8時)にフリーダイヤルの電話相談 日本いのちの電話連盟はこちら(http://www.

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