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藤井四段、将棋転換期の快挙 「羽生後」の空白埋めるか

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将棋ファンの 期待は称賛、 そして驚嘆へと変わった。 愛知県瀬戸市に住む一人の 中学生がもたらした衝撃は、 今や日本中の 人たちが共有するもの となった。 デビューして、 まだ1年に満たない藤井聡太四段(14)。 1…
将棋ファンの期待は称賛、そして驚嘆へと変わった。愛知県瀬戸市に住む一人の中学生がもたらした衝撃は、今や日本中の人たちが共有するものとなった。 デビューして、まだ1年に満たない藤井聡太四段(14)。16年ぶり5人目の中学生棋士とあって、当初から有望視されていた。4月には、プロ入り初戦からの連勝の新記録を達成。この上ない滑り出しだった。 15、そして20……。連勝が伸び、さらに非公式戦ながら羽生善治三冠(46)を破ると、将棋界全体が非日常の状態に突入していった。 一局ごとに報道陣が押し寄せ、複数のインターネットメディアが生中継をし、結果がテレビで盛んに報じられている。各地の将棋教室には、「初心者向けクラスに入会したい」と問い合わせが相次いでいる。 そして、26日に達成した新記録。半年前には誰も予想していなかった快挙に、「将棋ブーム」は一層、過熱しそうだ。 こうした現象は21年前にも起きた。羽生三冠が七つのタイトルを独占した際に起きた「羽生フィーバー」だ。藤井四段がプロになる前から注目していた、日本将棋連盟の森下卓常務理事は「羽生さんは特別な存在だが、その後は空白があった。藤井四段にはそれを埋めて欲しい」と期待する。 将棋界は近年、転換期にある。昨年、佐藤天彦(あまひこ)名人(29)が羽生三冠から名人のタイトルを奪取。16年ぶりに20代の名人が誕生した。藤井四段が抜くまで史上最年少デビュー棋士の記録を持っていた加藤一二三九段(77)は今月、63年間の現役生活にピリオドを打った。 人工知能(AI)の著しい進歩もあった。棋士とAIが戦う電王戦では、今年佐藤名人が敗北。昨年10月には、トップ棋士が対局中にソフトの不正使用を疑われるという騒動も起きた。「AIは人間を上回った」という認識が、棋士の存在意義を変容させつつある。 藤井四段自身、AIを研究に取り入れて力を伸ばした側面はある。だが、ここまでの大活躍は、生身の棋士の、そして人間のさらなる可能性を感じさせるものだ。6歳の誕生日、幼稚園のバースデーカードに「おおきくなったらしょうぎのめいじんになりたいです」と書いた中学3年生は、今後どのような歴史を作り上げるのだろうか。(村瀬信也)

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