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フィンランドも「テロ事件」 欧州、封じ込め難航

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フィンランド警察は19日、 同国南西部の 都市トゥルクで2人が犠牲になった襲撃をテロ事件として捜査していると発表した。 スペイン当局は同日、 17~18日にバルセ
【ブリュッセル=森本学、ロンドン=黄田和宏】フィンランド警察は19日、同国南西部の都市トゥルクで2人が犠牲になった襲撃をテロ事件として捜査していると発表した。スペイン当局は同日、17~18日にバルセロナなどで発生したテロの実行犯グループの男の追跡を本格化した。欧州各国は警戒態勢を強めるが、テロの対象地域や手段が多様化し、封じ込めは難航している。 犠牲者に対して市民がろうそくなどをささげた(19日、トゥルク)=ロイター 欧州各国はテロへの警戒を強めるが…(18日、バルセロナ)=AP フィンランド警察は19日、トゥルク中心部で刃物を持って通行人を襲った容疑者は「モロッコ出身の18歳の男」と発表した。男はその場で警察官に足を撃たれ、拘束された。名前は公表していない。警察は容疑者の関係先の家宅捜索で、今回の事件が「テロを示唆する」と判断した。 警察によると、容疑者は昨年、フィンランドに入国し、難民申請の手続き中だった。容疑者とは別にモロッコ出身の4人を拘束して事情を聴取している。事件への関与は現時点で明らかになっていない。関連して新たに1人を国際指名手配。欧州刑事警察機構(ユーロポール)や各国当局と協力しながら捜査を急ぐ。 同事件ではフィンランド人女性2人が亡くなり、8人が負傷した。負傷者にはスウェーデン人とイタリア人、英国人が含まれるという。負傷者のうち6人が女性で、警察は女性を狙ったテロだったとの見方を強めている。スペインのテロとの関連などは不明だ。 バルセロナとその近郊を襲い、14人が犠牲となったテロを巡っては、地元当局が18日、犯行グループは12人だったとの見方を示した。容疑者の半数以上がやはりモロッコ出身だった。 スペイン政府は19日、テロの警戒レベルを据え置いた。スペインのソイド内相は同日の記者会見で「犯行グループを壊滅に追い込んだ」と語ったうえで、バルセロナなどの警備は強化する方針も示した。当局は事件後に逃走しているとみられる犯行グループメンバーの22歳の男の行方を追っており、逃走先でのテロ行為も警戒している。 過激派組織「イスラム国」(IS)は19日、系列ニュースサイトを通じ、バルセロナ近郊カンブリスのテロで事実上の犯行声明を出した。先に起きたバルセロナのテロに続く声明だ。 欧州では15年以降、パリやブリュッセル、英国などでISが犯行声明を出したテロ事件が相次ぐ。スペインは6月に英独やユーロポールと連携し、イスラム過激派6人の身柄を拘束するなどテロを封じてきたが、今回は防げなかった。 フィンランドのトゥルクは同国の代表的な観光地のひとつだが、人口はわずか18万人の小都市。欧州各国は観光客らが密集する大都市の警戒に力を注いでおり、どこまで警戒範囲を広げるか頭を悩ませている。

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