【ワシントン清水憲司】 トランプ米大統領は29日、 米連邦準備制度理事会(FRB)の 次期議長の 人選について「今後2、 3週間で決定する」 と語った。 米メディアによると、 トランプ氏は候補とされる元FRB理事の ケビン・ ウォーシュ氏、 現理事の ジェローム・ パウエル氏と相次いで面会しており、 検討を本格化させている。
【ワシントン清水憲司】トランプ米大統領は29日、米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長の人選について「今後2、3週間で決定する」と語った。米メディアによると、トランプ氏は候補とされる元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏、現理事のジェローム・パウエル氏と相次いで面会しており、検討を本格化させている。
トランプ氏は29日、記者団に「議長の人選で4人と面会した」と述べた。誰と面会したかは明かさなかったが、現在のイエレン議長と側近の国家経済会議(NEC)のコーン委員長も有力候補。 FRBの金融政策は米経済だけでなく、世界の経済や金融市場に与える影響が大きく、人選が注目される。
ウォーシュ氏は金融・経済政策で与党共和党と近く、FRBの裁量縮小や現在2%のインフレ目標を「おおむね1~2%」に変更するなどの「FRB改革」を提唱。米化粧品大手エスティローダー創業家一族でトランプ氏と長年の知り合いのロナルド・ローダー氏を義父に持つ。ただ、ウォーシュ氏はイエレン氏より金融引き締めに積極的とみられ、低金利を望むトランプ氏とは意見が合わない可能性がある。
一方、パウエル氏はブッシュ(父)共和党政権で財務省高官を務め、2012年からFRB理事。米投資ファンドでの勤務経験もあり、与野党を通じて手腕に評価が高い。金融政策ではイエレン氏と考え方が近く、現在の緩やかな利上げ路線を支持している。
トランプ氏はこれまでに、イエレン氏の再任とコーン氏の後任指名を検討すると明らかにしている。コーン氏は白人至上主義をめぐるトランプ氏の発言を批判したため指名観測が後退したが、指名の可能性は消えていない模様だ。米メディアによると、スタンフォード大教授のジョン・テーラー氏、元地方銀行経営者のジョン・アリソン氏らの名前も挙がっている。