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核兵器、必要悪でなく絶対悪 受賞講演でサーローさん

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ノルウェーの オスロで10日あったノーベル平和賞の 受賞講演で、 国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」 (I(アイ)CAN(キャン))の ベアトリス・ フィン事務局長(35)と、 ICANの 運動をリードした一…
ノルウェーのオスロで10日あったノーベル平和賞の受賞講演で、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(I(アイ)CAN(キャン))のベアトリス・フィン事務局長(35)と、ICANの運動をリードした一人で被爆者のサーロー節子さん(85)=カナダ在住=は、迫る核兵器使用の危機を説いた。法的な核兵器の禁止を訴えたが、核を安全保障の柱に据える国々は早速、冷ややかな反応を見せた。
フィンさんの言う危機の一つは、核兵器が偶発的に使われることだ。「唯一の理性的な行動は、突発的なかんしゃくによって、私たちが互いに破壊されてしまうような状況で生きることをやめることだ」と述べると、大きな拍手を浴びた。
フィンさんは、米国とソ連による冷戦時代から、核武装国が9カ国まで増えた状況の変化を指摘。「テロリストもいれば、サイバー戦争もある。これらすべてが、私たちの安全を脅かしている」とし、核が使われる危険性が高まっていると警鐘を鳴らした。
広島と長崎への原爆投下後、世界が核戦争を回避してこられたのは「分別ある指導力に導かれたからではなく、これまで運がよかったからだ」と断じた。
さらに北朝鮮などの国名を挙げ、「核兵器の存在は核競争への参加へと他者を駆り立てている」と主張した。核による反撃能力を示して敵の核攻撃を封じ込めようとする「核抑止」では核使用の恐怖から逃れられないとの見方も示した。
続いて講演したサーローさんは、被爆者として見た原爆投下後の惨状を克明に描写し、核兵器は「必要悪ではなく、絶対悪」と言い切った。核武装する国々が「この美しい世界を将来世代が暮らしていけないものにすると脅し続けている」とし、いかなる国家にも「よい爆弾」はないとの主張を繰り広げた。
演説の終盤には、日本政府などの「『核の傘』なるものの下で共犯者となっている国々の政府の皆さん」に対し、「人類を危機にさらしている暴力システムに欠かせない一部分なのです」と警告。態度を改め、核兵器禁止条約へ参加するよう求めた。
だが、授賞式が開かれたノルウェーのソルベルグ首相は11日の記者会見で、「核兵器のない世界をどう達成するかにはICANと意見の相違がある。核保有国が関与しない核禁条約には署名しない。これでは核兵器は減らないからだ」と述べた。ノルウェーは北大西洋条約機構(NATO)加盟国で、米国をはじめとする核保有国の「核の傘」の下にいる。(オスロ=松尾一郎)

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