九州電力は23日、 玄海原発3号機(佐賀県玄海町)の 原子炉を起動し再稼働した。 同日午後11時10分に核分裂反応が安定する「臨界」 に達した。 2010年12月に定期検査で運転停止して以来約7年3カ月ぶりの 稼働となり、 東京電力福島第1原発事故後の 新規制基準での 再稼働は全国で7基目、 九電としては川内(せんだ
九州電力は23日、玄海原発3号機(佐賀県玄海町)の原子炉を起動し再稼働した。同日午後11時10分に核分裂反応が安定する「臨界」に達した。2010年12月に定期検査で運転停止して以来約7年3カ月ぶりの稼働となり、東京電力福島第1原発事故後の新規制基準での再稼働は全国で7基目、九電としては川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に続き3基目。玄海3、4号機の使用済み核燃料プールは空き容量が逼迫(ひっぱく)しており、今後の対応が課題だ。
運転員が23日午前11時、玄海原発の中央制御室で3号機の原子炉内の核分裂反応を抑える制御棒を遠隔操作で引き抜いて原子炉を起動させた。瓜生(うりう)道明社長は「国の検査に真摯(しんし)に取り組むとともに安全確保を最優先に慎重に進める」とのコメントを発表した。
九電によると、25日午後2時半にウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を利用する「プルサーマル発電」を開始する。4月下旬には原子力規制委員会の最終検査を経て営業運転に移行する。
玄海4号機について九電は5月に再稼働させる方針。3、4号機とも稼働すれば使用済み核燃料プールは5~7年程度で満杯になる見通し。九電はプールの燃料棒の間隔を詰めて保管能力を増強する「リラッキング」と、専用容器で空気冷却する「乾式貯蔵」の二つの保管方法を並行して検討しているが、いずれも具体的な手続きは進んでいない。【浅川大樹、石田宗久】