大阪市の 学校法人「森友学園」 は１０日、 ４月の 開校を目指して大阪府に出していた小学校「瑞穂の 国記念小学院」 （同府豊中市）の 設置認可申請を取り下げた。 学園の 籠池泰典理事長は同日、 理事長を辞任することを表明した。 小学校計画は白紙撤回されたが、 府に再申請を考えるという。 学園の 小学校新設計画では認可審査の 資料に疑義があり、 金額の 異なる３通の 工事契約書が存在するなど一部は虚偽報告だった可能性も浮上。 府は「不認可」 とする方針を固めていた。
大阪市の学校法人「森友学園」は１０日、４月の開校を目指して大阪府に出していた小学校「瑞穂の国記念小学院」（同府豊中市）の設置認可申請を取り下げた。学園の籠池泰典理事長は同日、理事長を辞任することを表明した。小学校計画は白紙撤回されたが、府に再申請を考えるという。学園の小学校新設計画では認可審査の資料に疑義があり、金額の異なる３通の工事契約書が存在するなど一部は虚偽報告だった可能性も浮上。府は「不認可」とする方針を固めていた。
府によると、学園の理事と代理人が１０日午後、設置認可申請の取り下げにかかわる書類を向井正博府教育長宛てに提出した。代理人は「認可の見通しが薄く、経営する幼稚園への影響を考慮した」などと説明したという。
籠池理事長は同日夕、学園が運営する幼稚園で記者会見し「苦渋の決断だ」と述べた。国会審議で土地取得の不明瞭な経緯が取りざたされて以降、敷地内のごみの搬出が進まなくなり、寄付金が集まりにくくなったと説明し「学校を建設できなかった責めを負う」と述べ、理事長を退くことを表明した。３通の工事契約書で金額が異なることについては、補助金申請のために見積額を示したなどとして、偽造ではないと主張した。
会見では国会議員への口利き依頼を否定し、土地取得を巡る疑惑もないと強調。安倍晋三首相の夫人の昭恵さんには幼稚園で講演してもらったが、「謝礼は払っていない」と述べた。
大阪府は近く、入学予定だった子ども約２０人を公立小などで円滑に受け入れるよう、市町村教委や私学団体に配慮を要請する。
森友学園は「日本で唯一の神道の小学校」をうたい、２０１４年１０月に設置認可を申請。府私立学校審議会（私学審）は１５年１月、財務状況や教育内容への懸念から条件付きで「認可適当」と答申したが、今年２月の私学審臨時会では入学希望者が大幅に定員を下回っていることなどが報告され、その後に審査資料の疑義が相次ぎ発覚。府は近く開かれる私学審の直後に最終判断する構えだった。【津久井達、米山淳、遠藤浩二】
