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はやぶさ2難関に挑む 「りゅうぐう」着地へ

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、 2014年に打ち上げた無人探査機「はやぶさ2」 が地球から約3億キロメートル離れた小惑星「りゅうぐう」 に同日午前9時35分に到着したと発表した。 日本が世界をリードする小惑星探査で、 初代はやぶさに続いて遠くの 目的地へ正確に飛行する技術で成果を出した。 ただ最大の 使命は岩石を地球へ持ち帰ることで、 20年末…
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、2014年に打ち上げた無人探査機「はやぶさ2」が地球から約3億キロメートル離れた小惑星「りゅうぐう」に同日午前9時35分に到着したと発表した。日本が世界をリードする小惑星探査で、初代はやぶさに続いて遠くの目的地へ正確に飛行する技術で成果を出した。ただ最大の使命は岩石を地球へ持ち帰ることで、20年末まで続く旅路には様々な試練がある。まず9月にも小惑星に着地する最初の難関に挑む。 りゅうぐう(右)は地球と明るさを比べても暗くて黒い天体で、有機物を多く含む(JAXAなど提供) りゅうぐうは太陽系が誕生した約46億年前にあった有機物や水を含む岩石が残っているとされる。地球に持ち帰れば、太陽系の成り立ちや生命誕生の謎解明に迫れると期待される。 JAXAの津田雄一プロジェクトマネージャは記者会見で「人類未到の宇宙科学探査の入り口に立つことができた」と語った。 りゅうぐうの大きさは直径900メートル程度で、ほぼ垂直の軸を中心に約7時間半の周期で地球とは逆向きに自転する。表面にはクレーターのようなくぼ地や岩石の塊が数多く見える。大きさは想定内だったが、赤道付近が盛り上がった「コマ」や「そろばんの玉」に似た姿は予期していなかった。 津田プロジェクトマネージャは「りゅうぐうの姿を初めて目にし難易度は高いと感じる。神様は優しくはなかったが、着陸できるところは必ずある」と話した。8月下旬をメドに着地場所を選定する。 着地では、表面にある凹凸や傾斜の程度が問題になる。重力の大きさもわからない。筒のような装置を表面に押し付け、弾丸を落として舞い上がる岩石を回収する。搭載する探査ロボットを下ろす場所も課題だ。 真価が最も問われるのは19年3~4月の岩石の回収で、りゅうぐうに穴を掘る技術だ。爆薬で金属弾を秒速2キロメートルで撃ち込む。穴の底には太陽光や放射線にさらされていない当時のままの物質が残る。19年11~12月にはりゅうぐうを離れ、20年末に物質を入れたカプセルを地球に届ける。大気圏突入ではセ氏最高3000度の高温に耐えなければいけない。 こうした難関を突破するのは日本のお家芸のロボットや小型家電のノウハウを生かした無人探査機だ。 NEC など日本企業などの技術を結集し、オールジャパンで挑む。 日本を追う米航空宇宙局(NASA)も、はやぶさ2の探査の行方に注目する。 NASAは米国版「はやぶさ」の「オシリス・レックス」を16年に打ち上げた。小惑星「ベンヌ」の物質を23年に地球に持ち帰る予定。 JAXAの会見では、NASAグループの担当者が「同時期に別々の小惑星を探査できる意義は大きい」とエールを送るビデオが流された。

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