「会社が謝罪しても、再発防止を約束しても、娘は、もう二度と生きて帰ってくることはない」。平成27年12月に過労自殺した電通の新入社員、高橋まつりさん=当時(24)=の母、幸美さん(54)は20日、電通との合意後、東京都内で開いた記者会見で涙ながらに訴えた。 「会社が責任を認めたこと、謝罪したこと、サービス残業をなくすと約束したこと…」と、合意に応じた理由を語る幸美さん。「娘の分身だと思って…」。まつりさんが愛用していたネコの形をした携帯電話の画面クリーナーを持参。会見中も時折、触っていた。 「テレビで娘の姿を見るたびに、ああ本当に死んでしまったのだな、とぼうぜんとする。まつりに会いたい。抱きしめたい。でも、もう二度とかなうことはない」。目を真っ赤にし、言葉を詰まらせる場面も。 「娘の尊厳を守るための労災認定をきっかけに、まつりは労働問題のシンボルになり、働く人に大きな波紋を投げかけた」と語った。
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