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トランプ氏「ドル強すぎる」 通貨安誘導の可能性 :日本経済新聞

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NewsHub【ニューヨーク=大塚節雄】トランプ次期米大統領は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが17日付で掲載したインタビューで、対中国人民元を念頭に「ドルが強すぎる」と述べた。同日の電子版では、減税による景気刺激でドル高に弾みがついた場合には「ドルを押し下げる」必要が出てくる可能性を示唆した。17日のニューヨーク外国為替市場では「ドル高をけん制した」と受け止められ、円が対ドルで大きく上昇した。
トランプ氏は強すぎるドルを指摘(11日、ニューヨーク)=AP
インタビューは13日に実施した。米国は伝統的に「強いドルが国益にかなう」とする通貨政策を掲げてきた。近年では歴代大統領や政権幹部らは通貨安競争を明確に否定してきたほか、ドル高を直接的な表現でけん制することも避けてきた。トランプ氏が大統領就任後もドル高をけん制すれば、米通貨政策の大転換につながる可能性がある。
ドルは昨年11月の大統領選後に急伸した。トランプ氏が掲げる政策でインフレが進むとの見方から、米長期金利に上昇圧力(債券価格には下落圧力)がかかったためだ。2017年の年初には、幅広い通貨に対するドルの総合的な値動きを示すドル指数が14年ぶりの高値を更新していた。
トランプ氏はインタビューで、中国人民元について「岩が転げ落ちるように急落している」と述べ、「米国の企業は(中国の)企業と競争できない。ドルが強すぎ、我々を傷つけているからだ」と述べた。中国当局が現在、人民元の急落を防ぐために元買い介入を続けていることには「我々を怒らせたくないからだ」との見解を示した。
このほか、「強いドルを持つことは有利な面もあるが、多くの不利を抱えることにもなる」とも述べ、伝統的な「強いドル政策」に対して距離を置く考えを示唆した。

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