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見守り中死亡男性、神楽指導にも力…海外公演も

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NewsHub島根県益田市 久々茂 ( くくも ) 町の国道191号交差点で30日、小学生の集団登校を引率中、飲酒運転の軽トラックにはねられて死亡した近くの元洋装店経営・三原 董充 ( ただみつ ) さん(73)。 33年前に次女(当時7歳)を交通事故で亡くした経験から始めた見守り活動中の事故に、地元で悲しみが広がっている。 三原さんは31日未明、市内の病院で息を引き取った。遺体は、三原さんが自宅そばに建てた石見神楽の練習場に安置され、親族や知人が次々と弔問に訪れ、穏やかな表情で横たわる三原さんに手を合わせた。 同町で育った三原さんは中学卒業後、大阪の洋装店で修業して帰郷。数年後、市役所前に職人2人で店を構えた。三原さんの仕立てた背広は「手が通しやすい」と評判だった。妻の法子さん(68)は「真面目で曲がったことが嫌い。働き者でしたよ」と話す。 小学2年だった次女舞子さんを亡くしたのは1983年12月5日。舞子さんは同年の水害で路肩が崩れて狭くなった道路を下校中、後ろからきたミキサー車にランドセルを引っかけられ、ひかれた。「わしはこの年齢まで生きた。代われるもんなら代わってあげたかった。何で狭い道でスピードを出したんだ」。晩酌中、舞子さんを思い出すことが多かった。 見守り活動を始めたのは、3人の孫が通学していた十数年前。通学路に枯れ葉が積もっていると、「子どもが滑ると危ないけえ」と、軽トラックに積んで処分した。同居する孫の三原 紫輝 ( しき ) さん(19)は「後ろから見ていてくれるだけで安心できた」と感謝する。 三原さんは、石見神楽の指導者でもあった。2007年から益田市内の12社中でつくる石見神楽神和会の会長を務め、後進の育成や公演に尽力。海外公演も多く、15年には外務省主催で、コスタリカなど4か国の巡回公演に参加した。 弔問に訪れた益田市観光協会の島田憲郷会長(70)は「地方の文化だった神楽を、世界の文化に押し上げようと力を尽くしてくれた」と功績をたたえた。 三原さんにとって、日曜夜は家族6人でだんらんの時間だった。事故前日の29日夕、長女で舞子さんの姉の摩弓さん(42)が作った「カツオの漬け」をおいしそうに食べ、テレビ番組「笑点」を見て笑っていた。孫に「テレビばかり見ず、こっちを向いてくれ」と冗談めかして言っていたのが、摩弓さんの印象に残った。 ◇ 益田署に道交法違反(酒気帯び運転)などの容疑で逮捕された男(62)(益田市)は、益田市中心部に近い木材会社に勤務。自宅近くの住人によると、一人暮らしで、日頃、近所の商店で焼酎などを買っていた。近くの女性は「飲酒運転をするような人には見えなかった」と話していた。

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