安倍晋三首相の 妻の 昭恵さんは公人か、 私人か。 大阪市の 学校法人「森友学園」 の 国有地取得問題を巡る国会論議がこんなテーマに波及している。 3日の 参院予算委員会では、 2015年9月5日に学園が運営する幼稚園で昭恵さんが講演した際、 サポート役の 政府職員が同行していたと政府が明らかにし、 野党が「『公務』ではないか」 と指摘した。
安倍晋三首相の妻の昭恵さんは公人か、私人か。大阪市の学校法人「森友学園」の国有地取得問題を巡る国会論議がこんなテーマに波及している。3日の参院予算委員会では、2015年9月5日に学園が運営する幼稚園で昭恵さんが講演した際、サポート役の政府職員が同行していたと政府が明らかにし、野党が「『公務』ではないか」と指摘した。
野党が昭恵さんの立場をただすのは、同学園が開設予定の小学校の「名誉校長」に昭恵さんが就いていたからだ。講演への同行に関し、内閣官房の担当者は衆院国土交通委員会で当初は「土曜日で勤務時間外。職員の私的活動に関することで答弁は控える」と答えたが、最終的に同行を認めた。野上浩太郎官房副長官はその後の予算委で、同行目的を「首相夫人による首相の公務遂行を補助するための活動のスケジュール調整や、連絡調整のサポートだった」と説明。菅義偉官房長官は記者会見で「職員の旅費は夫人が私費で支出した。公用車は使っていない」と述べた。
質問した社民党の福島瑞穂氏は「なぜ私人の活動に公務員が同行するのか」と追及。民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は記者会見で「秘書官が付き、明らかに公人だ。思いや反省の弁なり、説明責任を『前名誉校長』として果たすべきだ」と指摘した。
政府の国会答弁によると、昭恵さんのサポート役には常勤2人、非常勤3人の計5人の公務員が配置されている。2006年以降、首相夫人に非常勤職員1人が配置され、第2次安倍内閣発足後に拡充された。首相の出張に同行する際は旅費法に基づき交通費が支払われ、第1次安倍内閣からの合計で計約145万円が支払われている。日当は第2次安倍内閣発足後辞退している。【光田宗義】