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秋篠宮さま「進まぬ帰還、心痛む」 震災追悼式

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政府主催の 追悼式が11日午後、 東京都千代田区の 国立劇場であり、 秋篠宮ご夫妻や、 安倍晋三首相ほか政府関係者らが参列した。 遺族は29人が参列し、 岩手県代表の 千葉陽(よう)さん(41)、 宮城県代表の 佐藤昌…
政府主催の追悼式が11日午後、東京都千代田区の国立劇場であり、秋篠宮ご夫妻や、安倍晋三首相ほか政府関係者らが参列した。遺族は29人が参列し、岩手県代表の千葉陽(よう)さん(41)、宮城県代表の佐藤昌良さん(57)、福島県代表の石井芳信さん(72)が追悼の言葉を述べた。 安倍首相は式辞で「さらに復興を加速していく」と述べた。秋篠宮さまは、被災地の人々が復旧と復興への努力を続けてきたことに触れたうえで、「年々高齢化していく被災者の健康や、放射線量が高いことによって、いまだ帰還の見通しが立っていない地域の人々の気持ちを思うと深く心が痛みます」と述べた。 追悼式は毎年天皇、皇后両陛下が出席し、天皇陛下がおことばを述べてきたが、震災から5年の節目が過ぎたことなどから、秋篠宮ご夫妻が出席することになった。両陛下はこの日、公務などの予定を入れず、御所で発生時刻にあわせ、黙禱(もくとう)したという。(多田晃子) ◇ 11日の震災追悼式での安倍晋三首相の式辞(全文)は次の通り。 本日ここに、文仁親王同妃両殿下の御臨席を仰ぎ、「東日本大震災 6周年追悼式」を挙行するに当たり、政府を代表して、謹んで追悼の言葉を申し上げます。 かけがえのない多くの命が失われ、東北地方を中心に未曽有の被害をもたらした東日本大震災の発生から、6年の歳月が流れました。 最愛の御家族や御親族、御友人を失われた方々のお気持ちを思うと、今なお哀惜の念に堪えません。ここに改めて、衷心より哀悼の意を捧げます。また、被災された全ての方々に、心からお見舞いを申し上げます。 被災地に足を運ぶ度、震災から6年を経て、復興は着実に進展していることを実感します。インフラの復旧がほぼ終了し、住まいの再建や産業・生業の再生も一歩ずつ進展するとともに、福島においても順次避難指示の解除が行われるなど、復興は新たな段階に入りつつあることを感じます。しかしながら、今なお12万人の方が避難され、不自由な生活を送られています。 被災者の方々お一人お一人が置かれた状況に寄り添いながら、今後とも、心と身体のケアや新たな地域社会の形成など、復興の進展に応じた切れ目のない支援に力を注ぎ、さらに復興を加速してまいります。 同時に、震災による大きな犠牲の下に得られた貴重な教訓を、常に顧みながら、英知を結集して、防災対策を不断に見直してまいります。政府一丸となって、災害に強い、強靱(きょうじん)な国づくりを進めていくことを、改めて、ここに固くお誓いいたします。 震災の発生以来、地元の方々の御努力をはじめ関係する全ての方々の大変な御尽力に支えられながら、復興が進んでまいりました。日本各地のみならず、本日ここに御列席の、世界各国・各地域の皆様からも、多くの、温かく心強い御支援をいただきました。改めて、心より感謝と敬意を表したいと思います。 東日本大震災の教訓と我が国が有する防災の知見や技術を世界の皆様に役立てていただくことは、我々の責務であり、今後、防災分野における国際貢献を、一層強力に進めてまいります。 我が国は、幾度となく、国難と言えるような災害に見舞われてきましたが、その度に、勇気と希望をもって乗り越えてまいりました。今を生きる私たちも、先人たちに倣い、手を携えて、前を向いて歩んでまいります。 御霊の永遠に安らかならんことを改めてお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆様の御平安を心から祈念し、私の式辞といたします。 ◇ 秋篠宮さまは11日午後、東京都千代田区の国立劇場で開かれた政府主催の「東日本大震災6周年追悼式」に紀子さまと参列した。おことばの全文は次の通り。 6年前の3月11日午後2時46分、私たちが今までに経験をしたことがない巨大な地震とそれに伴う津波が、東北地方太平洋沿岸部を中心とした東日本の広範な地域を襲いました。そして、この地震と津波によって、2万人近い人が命を落とし、また2500名を超える人の行方がいまだ知られておりません。ここに、本日、参集したすべての人々と共に、震災によって亡くなった方々とそのご遺族に対し、深く哀悼の意を表します。 この6年間、被災地においては、人々が互いに助け合いながら、数多くの困難を乗り越え、復旧と復興に向けた努力を続けてきました。そして、そのことを支援するため、国内外の人々が、それぞれの立場において、様々な形で力を尽くしてきました。その結果、安全に暮らせる住宅の再建や産業の回復、学校や医療施設の復旧などいくつもの分野において着実な進展が見られました。また、原子力発電所の事故によって避難を余儀なくされた地域においても、帰還のできる地域が少しずつではありますが広がってきております。今まで尽力されてきた多くの関係者に対し、心からの感謝と敬意を表するとともに、復興が今後さらに進んでいくことを祈念しております。 しかし、その一方では、被災地、また避難先の地で、困難な生活を強いられている人々が今なお多くいます。特に、避難生活が長期化する中で、年々高齢化していく被災者の健康や、放射線量が高いことによって、いまだ帰還の見通しが立っていない地域の人々の気持ちを思うと深く心が痛みます。困難な状況にある人々誰もが取り残されることなく、平穏な暮らしを取り戻すことができる日が来ることは、私たち皆の願いです。 東日本大震災という、未曽有の災害のもとで、私たちは日頃からの防災教育と防災訓練、そして過去の災害の記憶と記録の継承がいかに大切であるかを学びました。この教訓を決して忘れることなく、私たち一人ひとりが防災の意識を高めるとともに、そのことを次の世代に引き継ぎ、災害の危険から多くの人々が守られることを強く希望いたします。 様々な難しい課題を抱えつつも、復興に向けてたゆみなく歩みを進めている人々に思いを寄せつつ、一日も早く安寧な日々が戻ることを心から願い、御霊(みたま)への追悼の言葉といたします。

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