民進党が国有地売却問題で籠池氏から聞き取り調査 大阪市の 学校法人「森友学園」 への 国有地売却問題で、 民進党は２８日、 籠池泰典前理事長への 聞き取り調査をした。 学園は当初、 大阪府豊中市内の 国有地を定期借地して小学校の 開校を計画したが、 籠池氏は「財務省に対して、 （安倍晋三首相の 妻）昭恵夫人に報告していると伝えたら、 前向きになった」 と説明した。
大阪市の学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、民進党は２８日、籠池泰典前理事長への聞き取り調査をした。学園は当初、大阪府豊中市内の国有地を定期借地して小学校の開校を計画したが、籠池氏は「財務省に対して、（安倍晋三首相の妻）昭恵夫人に報告していると伝えたら、前向きになった」と説明した。
籠池氏は２０１４年３月に東京都内のホテルで昭恵氏に会い、開校計画を話したという。籠池氏は「その際、昭恵氏から『主人に伝えます。何かすることがありますか』と言われ、うれしかった」と振り返った。国有地取得は買い取りが基本だが、籠池氏は当時、定期借地を希望していた。籠池氏は「（国有財産を管理する）財務省の近畿財務局に、昭恵氏に報告していると伝えたら、１４年夏ごろから前向きになってくれた。特例というのはこのことか、と思った」と説明した。
１５年５月に国有地を借りて小学校の建設工事を始めたが、翌年３月、地中に大量のごみがあることが判明した。計画の遅延を懸念した籠池氏は３月１５日、財務省を訪れ、国有財産審理室長の田村嘉啓氏らと面会した。
この際、籠池氏は田村氏との会話を録音した。それによると、籠池氏は「こんなんで安全・安心な教育ができますか」と迫った上、昭恵氏にも話をしていることを示唆し、対応を求めた。財務省は国有地の定期借地を認めた点に触れ、「貸し付けは特例だった」と発言。ごみ処理も「責任があればしっかり対応する」と学園に配慮する姿勢を見せていた。
籠池氏は田村氏らと面談した９日後の３月２４日、近畿財務局に土地の購入を要望。国は約３カ月後の昨年６月、鑑定額９億５６００万円から、ごみの撤去費約８億円を差し引き、１億３４００万円で売却した。
籠池氏は３月に学園の理事長を退任し、長女の町浪（ちなみ）氏と交代した。
籠池氏は国会の証人喚問と日本外国特派員協会（東京都）での記者会見があった３月２３日以降、公開の場で説明していなかった。
【米山淳、山崎征克】
