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函館西方に墜落の可能性

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15日午前11時48分ごろ、 函館空港(北海道函館市)の 西約33キロで、 陸上自衛隊北部方面航空隊(札幌市)所属の 双発プロペラ機・ LR2(乗員4人、 全長14.22メートル)がレーダーから消えた。 同機は緊急搬送の 必要がある患者を収容するため、 函館空港に向け飛行中で、 防衛省は墜落した可能性があるとみて、 警察や消防などと周辺を捜索している。
15日午前11時48分ごろ、函館空港(北海道函館市)の西約33キロで、陸上自衛隊北部方面航空隊(札幌市)所属の双発プロペラ機・LR2(乗員4人、全長14.22メートル)がレーダーから消えた。同機は緊急搬送の必要がある患者を収容するため、函館空港に向け飛行中で、防衛省は墜落した可能性があるとみて、警察や消防などと周辺を捜索している。
防衛省などによると、同機は、函館市に入院中の患者を運ぶよう北海道知事から災害派遣要請を受け、15日午前11時23分に丘珠空港(札幌市東区)を離陸。函館空港への着陸態勢に入ろうとしていた地点で管制官との連絡が途絶え、レーダーからも消えた。
現場は北海道厚沢部(あっさぶ)町と北斗市にまたがる山中とみられ、同機はレーダーから消えた時点で高度約900メートル付近を飛行していた。管制官との直前の交信ではトラブルを示すようなやり取りは確認されていない。
同機には機長の高宮城効(たかみやぎいさお)1等陸尉(53)ら操縦者2人と、整備士2人の計4人の男性陸上自衛官が乗っていた。飛行計画では午前11時50分に函館空港に着陸した後、患者を乗せて午後0時20分に離陸し、30分後に丘珠空港へ戻る予定だった。患者は陸路で搬送され、無事という。
気象庁によると、15日正午ごろの函館空港周辺は、低気圧の接近に伴い雲が上空約200メートル付近まで垂れこめていた。視界は約7キロで見通しの悪い状態だった。防衛省によると、同機は当時、操縦者の肉眼で周囲を確認する「有視界飛行」ではなく、計器の情報や管制官の指示を基に飛ぶ「計器飛行」をしていたとみられる。
同機には約3時間50分飛行できる燃料しかなく、河野克俊・統合幕僚長は記者会見で「燃料は非常に厳しい。行方不明になった機体と人員の捜索を第一に考えたい」と話した。【前谷宏】
高宮城効1尉(53)=機長▽柳田智徳3佐(41)=副操縦士▽岡谷隆正2曹(42)▽玉木宏伸3曹(28)
連絡偵察用の小型双発プロペラ機。陸上自衛隊に所属し、患者の緊急輸送などの災害派遣でも使用されている。乗員は操縦者2人を含め最大10人で、全長14.22メートル、全幅17.65メートル。巡航速度は時速約440キロで、航続距離は約2900キロ。米国のビーチクラフト社製で、1999年度以降、これまでに8機配備されている。
陸自機が消息を絶ったのは、北海道渡島半島中部の厚沢部町付近で、標高1000メートル以下のなだらかな山が連なる山間部。付近は当時、雨が降っており、雲が低く、山にもやがかかった状態だったとみられる。
北部方面航空隊によると、機長の高宮城効1等陸尉は10年以上の飛行経験があり、今年4月から同方面隊に勤務。同型機の操縦には慣れていたという。当該機は14日午後5時に隊員搬送のために中標津空港を出発し、同6時過ぎに丘珠空港に到着。機体点検でトラブルなどの報告はなかったという。
陸自機による患者搬送は今年度初めてだったが、昨年度は4件あった。道によると、この日は午前9時ごろ、函館市消防から搬送要請があり、道のヘリでの搬送を検討したが、強風などの悪天候から断念。道警など他機関に連絡したところ、自衛隊から受け入れの連絡があった。札幌管区気象台によると、函館市周辺は朝から大雨や濃霧、雷注意報が出され、正午ごろは風速6~7メートルだった。
捜索は自衛隊のほか、道警や海上保安部なども参加。消息を絶った厚沢部町の鶉(うずら)ダム周辺や隣接する北斗市茂辺地付近を中心に行ったが、道警や消防による陸上の捜索は午後6時前に打ち切った。自衛隊は捜索活動を継続し、道警などは16日午前6時から再開する。
【山田泰雄、源馬のぞみ】

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