【ワシントン高本耕太】 トランプ米大統領は16日、 南部フロリダ州マイアミで演説し、 オバマ前政権の 対キューバ制裁緩和策の 転換を表明した。 キューバの カストロ政権を「60年近く国を支配し、 何万もの 自国民を殺害してきた」 と強く非難。 「前政権が結んだ一方的な取引を中止する」 と述べ、 渡航や企業取引の 制限を強化する方針を示した。 2015年にハバナに再開した大使館は維持し、 外交関係は保つとしている。
【ワシントン高本耕太】トランプ米大統領は16日、南部フロリダ州マイアミで演説し、オバマ前政権の対キューバ制裁緩和策の転換を表明した。キューバのカストロ政権を「60年近く国を支配し、何万もの自国民を殺害してきた」と強く非難。「前政権が結んだ一方的な取引を中止する」と述べ、渡航や企業取引の制限を強化する方針を示した。2015年にハバナに再開した大使館は維持し、外交関係は保つとしている。
新たな政策では、緩和方向にあった米国民のキューバ渡航を制限。キューバ軍や情報機関が関係する企業との取引も規制する。トランプ氏は、亡命キューバ人の多く住むマイアミでの演説で「カストロ政権が北朝鮮に武器を供給し、ベネズエラの政情不安を助長した。ハイジャック犯やテロリストをかくまっている」などと批判。政策転換は「軍政への資金を断ち、国民に資するものだ」と強調した。
トランプ氏は「キューバ政府がすべての政治犯を釈放し、民主的な選挙を実施するまで制裁は解除しない」とも宣言。キューバ政府の反発は避けられず、オバマ前政権で進んだ両国関係の改善は停滞が予想される。