孫の 26歳容疑者の ことで、 知人に相談 神戸市北区で住民5人が殺傷された事件で、 殺害された南部達夫さん(83)が孫の 竹島叶実(かなみ)容疑者(26)=殺人容疑で再逮捕、 送検=について「家に引きこもって困っている」 と知人に相談していたことが関係者への 取材で分かった。 近所でも竹島容疑者を知る住民は少なく、 兵庫県警有馬署捜査本部は、 生活実態などを調べている。
神戸市北区で住民5人が殺傷された事件で、殺害された南部達夫さん(83)が孫の竹島叶実(かなみ)容疑者(26)=殺人容疑で再逮捕、送検=について「家に引きこもって困っている」と知人に相談していたことが関係者への取材で分かった。近所でも竹島容疑者を知る住民は少なく、兵庫県警有馬署捜査本部は、生活実態などを調べている。
知人らは数年前、南部さん宅を頻繁に訪問していた。その際、南部さんから「孫が家に引きこもって困っている」「どうやったら外に出てくれると思うか」などと相談されたという。当時、知人と共に仕事で南部さん宅に出入りしていた関係者は「(竹島容疑者を)一度も見たことがなく、気配も感じなかった」と打ち明ける。
同級生らによると、竹島容疑者は地元の中学を卒業後、工業高専に進学。私立の専門学校にも通ったが定職にはつかず、近年は家にいることが多かったとみられる。
近くで和菓子店を経営する70代の男性も「南部さんは20年近く前から買いに来てくれていたが、孫の話をしたことはない。事件で初めて存在を知った」と驚く。襲撃されて重傷を負った女性(65)も「知らない男だった」と話しているという。
南部さん宅では、事件当日の未明も含め、夜通し電気がついていることもあったという。捜査本部は押収した竹島容疑者の所持品を分析するなどし、家庭内のトラブルの有無について調べている。
一方、捜査本部は19日、死亡した辻やゑ子さん(79)の死因は首を切られたことによる失血死だったと発表した。頭や首に数カ所の切り傷があり、捜査本部は明確な殺意をもって殺害されたとみている。【松本杏、黒川優】