安倍晋三首相は25日午前、 参院予算委員会の 閉会中審査で、 学校法人「加計(かけ)学園」 による獣医学部新設計画について、 事業主体が同学園だと初めて知ったの は1月20日の 国家戦略特区諮問会議だったと重ねて表明した。 しかし、 民進党の 蓮舫代表が通常国会の 答弁と整合性がとれないと指摘すると、 首相は「整理が不十分だった。 厳密さを欠いていた」 と釈明した。
安倍晋三首相は25日午前、参院予算委員会の閉会中審査で、学校法人「加計(かけ)学園」による獣医学部新設計画について、事業主体が同学園だと初めて知ったのは1月20日の国家戦略特区諮問会議だったと重ねて表明した。しかし、民進党の蓮舫代表が通常国会の答弁と整合性がとれないと指摘すると、首相は「整理が不十分だった。厳密さを欠いていた」と釈明した。
首相は、1月20日に知った理由を「申請したのは(愛媛県)今治市であり、加計学園ではない。事業主体が誰かは説明がなく、承知していなかった。数十件ある案件のうちの一つだった」と説明した。諮問会議直前に事務方から加計学園に決まったことを聞いたとも述べた。
しかし、6月16日の参院予算委では、社民党の福島瑞穂氏が「加計学園が今治市に獣医学部をつくりたいということをいつから知っていたか」と質問した際、首相は「(小泉純一郎内閣時代に創設された)構造改革特区で申請されたことを私は承知していた」と答弁。「その後、国家戦略特区に申請すれば私の知り得るところになる」と述べていた。今治市は2015年6月に国家戦略特区での獣医学部新設を提案している。
蓮舫氏は「どちらが虚偽答弁なのか。どの発言が正しいのか」「昨日、衆院予算委で発言してしまったために修正したのではないか」などと首相を追及し、審議はたびたび中断した。
これに関連し、山本幸三地方創生担当相は25日午前の記者会見で、「1月20日以前に、加計学園が意欲を示していることについて首相と話したことはあるか」という質問に対し、「一切ない」と否定した。そのうえで、山本氏が知ったのは昨年9月7日だと改めて語った。【光田宗義】