イスラエル軍は21日、 同軍が2007年にシリアの 原子炉を空爆したことを初めて公式に認めた。 イスラエルは、 敵対するイランが核開発を進め、 シリアで軍事拠点を構築していると非難しており、 イランを牽制(けん…
イスラエル軍は21日、同軍が2007年にシリアの原子炉を空爆したことを初めて公式に認めた。イスラエルは、敵対するイランが核開発を進め、シリアで軍事拠点を構築していると非難しており、イランを牽制(けんせい)する狙いがありそうだ。
声明によると、イスラエル空軍の4機のF16戦闘機と4機のF15が07年9月5~6日の夜間、シリアの首都ダマスカス北東約450キロのデリゾール地方で「完成間近」の原子炉を空爆し、破壊した。「イスラエルと地域全体への核の脅威を除去した。イスラエルの存在を脅かす能力の構築は許さないというメッセージだ」と述べた。イスラエル軍は21日、空爆当時の映像や写真も公表した。
空爆された施設をめぐり米政府は08年4月、シリアが北朝鮮の支援を受けて秘密裏に建設中の原子炉だったと発表。国際原子力機関(IAEA)は11年の報告書で「IAEAに申告すべき原子炉だった可能性が極めて高い」とし、北朝鮮の原子炉と酷似していると指摘した。シリア側は空爆を非難したが、原子炉だったことは否定していた。(エルサレム=渡辺丘)