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池江璃花子 苦しみの先に待ちわびた日本新

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苦しみの 先に待ちわびた記録がありました。 競泳の 日本選手権の 2日目、 女子100メートルバタフライ決勝で、 17歳の 池江璃花子…
苦しみの先に待ちわびた記録がありました。 競泳の日本選手権の2日目、女子100メートルバタフライ決勝で、17歳の池江璃花子選手が連夜の日本新記録。「出場する4種目すべてで日本記録を更新する」と臨んだ大会の最初の種目で早速結果を出しました。 池江選手にとって100メートルバタフライは一番の得意種目。それでも、「自信があるからこそ不安だった」と池江選手は大きく息を吐いてスタート台に上がりました。 決勝のレース、不安は全く感じさせない圧倒的な強さを見せました。 「飛ばしたつもりはない」という前半の50メートル。冬場に重点的に取り組んだパワートレーニングの成果を発揮し、自己最速の26秒12を刻みます。 記録更新へ期待が高まる後半、「バテていた」という一方で「きつい時こそ」と苦手にしていたキックを打ち続けました。 ゴール直後、電光掲示板に表示されたタイムは56秒38。 「自分が強くなったと思えるレースだった」と笑顔がこぼれました。 しかし、この笑顔を見せるまでには長い道のりがありました。 去年の日本選手権、女子で史上初の「5冠」を達成。しかし、「一番うれしい瞬間」だという日本記録の更新はゼロ。その後の世界選手権では、メダル獲得はおろか記録も更新できず、悔し涙をこぼしました。 泳ぐことが大好きな17歳は「水泳が嫌になった」というほど落ち込みました。シーズンオフ、この悔しさを胸にトレーニングに明け暮れました。 そして1つの決断を下しました。 それは200メートル自由形の欠場でした。200メートル自由形は日本選手権で去年まで2連覇、ことし2月にも日本記録を塗り替えていました。 それよりも5つ持っている個人種目の日本記録のうち、もっとも長い1年7か月にわたって更新できていなかった100メートルバタフライに集中する決断をしました。連日の日本新記録はその決断が生み出した結果でした。 しかし、池江選手はこれで満足するはずがありません。今大会の残り種目は、50メートルバタフライに50メートルと100メートルの自由形の合わせて3つ。早くも「すべてで日本新記録を出したい」と意欲をみせました。 今大会で池江選手が出場する4種目は、パワーや体格で劣る海外勢に対し、近年、日本が世界の舞台で苦戦を強いられてきたスプリント種目です。 「日本のスプリンターが弱いと言われるのは悔しい」。日本の女子短距離のエースとしての自覚から生まれる思いは、「溝をあけられている世界との差を縮めたい」「ここで終わりじゃない」と日本記録更新に挑戦する姿に東京オリンピックに向け日本を引っ張る決意がにじんでいました。

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