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悪質タックル 日大内部、沈黙破る 「失望」「内田派一掃を」

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日本大アメリカンフットボール部の 選手による悪質なタックルを巡る対応で学内からもせきを切ったように批判が噴出した。 3年生の 宮川泰介選手(20)への 反則指示を否定した内田正人前監督(62)や井上奨(つとむ)元コーチ(29)の 会見を受け、 選手の 父母会や教職員組合などが24日、 正常化に向けて動きだした。
日本大アメリカンフットボール部の選手による悪質なタックルを巡る対応で学内からもせきを切ったように批判が噴出した。3年生の宮川泰介選手(20)への反則指示を否定した内田正人前監督(62)や井上奨(つとむ)元コーチ(29)の会見を受け、選手の父母会や教職員組合などが24日、正常化に向けて動きだした。
日大アメフット部の父母会は24日夜、東京都内で約110人を集めて非公開で総会を開き、代理人の弁護士を立てて日大側に情報提供を求めていくことを申し合わせた。会長らは関西学院大に謝罪したうえで「子どもたちが『声明を出したい』と言っている。全力で支援したい」と語った。出席した父母らは硬い表情で無言だった。
関学大の選手を負傷させた日大選手は22日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。同クラブは弁護士の同席は認めていないが、関学大選手から被害届を出されているうえに、まだ20歳。大学もアメフット部も立ち会わない孤独な状況に特例で認めた。
選手は謝罪したうえで、背景には内田前監督や井上元コーチの指示があったと告白した。それを受け、23日夜に会見した内田前監督らは否定して突き放した。日大選手は24日、代理人を通じて「記者会見で、私が覚えている事実は全てお話ししました。これ以上お話しすることはありません」とコメントした。
異様な事態が内田前監督の影響力を恐れるように沈黙を守ってきた父母たちの背中を押した。父母会総会に出席した父親は「宮川君が立派な会見をしたのに内田前監督の会見はあの程度か、と失望した。全然違うと息子はあきれていた。『宮川君の方が正しい。部員も監督の指示と認識していた』と言っていた」と明かした。今後の活動に向けて「騒がせたのは事実。何事もなく『やらせてほしい』とは言えないが、『内田派閥』は排除しないと終わらない」と決意を口にした。別の父親は「前監督に失望して、息子はやめたいと言っている」と苦しい胸の内を明かした。
また、日大教職員組合文理学部支部は24日、支部長名で声明を発表した。23日夜の会見内容を「信用は地に落ちるばかりであり、大学、付属校の存続にも関わりかねない」などと批判した。日大本部に対して、問題の徹底究明などを求めた。
波紋はプロ野球にも広がった。日大側からの申し入れを受け、DeNAは横浜スタジアムの「スポーツ日大」の広告にカバーをかけた。楽天生命パーク(仙台市)も広告デザインなどを見直すという。【小林悠太、円谷美晶、中村有花】
日本大アメリカンフットボール部の23日の記者会見は、インターネットでも生中継された。約2時間に及んだ会見のやり取りの終盤で、内田前監督や井上元コーチより対応に批判が集まったのが進行役の日大広報部・米倉久邦氏だった。
質問を打ち切ろうとした米倉氏は、記者から「司会者のあなたの発言で、日大のブランドが落ちてしまう」と指摘されると、「落ちません」と突き放し、会場を後にした。短文投稿サイト「ツイッター」では米倉氏について厳しい意見が相次いだ。ハッシュタグ(検索の目印)「日大ブランド」は、一時検索上位にランクインするなどして「炎上」した。
米倉氏は元共同通信の記者。2002年に退職後は趣味の登山に関して「六十歳から百名山」(06年新潮社)などの著書も出版する森林ジャーナリストとして活動した。年齢は70代という。
記者会見から一夜明けた24日、ある男子学生(18)は「最近アルバイトを始めたが、大学が日大と言うと、ちょっと引かれる」と困惑した。別の男子学生(19)は「ネットで大学までたたかれ迷惑。悪いのは内田(前監督)。早く(大学の常務理事職を)辞めてほしい」と語気を強めた。【倉沢仁志、松本晃】

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