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米、EUなどに鉄鋼関税発動へ 貿易摩擦激化の恐れ

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トランプ米政権は31日、 欧州連合(EU)やカナダ、 メキシコから輸入する鉄鋼とアルミニウムに追加関税を発動すると発表した。 通商交渉で圧力をかけるため5月31日まで適用を一時的に
【ワシントン=鳳山太成】トランプ米政権は31日、欧州連合(EU)やカナダ、メキシコから輸入する鉄鋼とアルミニウムに追加関税を発動すると発表した。通商交渉で圧力をかけるため5月31日まで適用を一時的に猶予してきたが、譲歩を引き出せないと判断して猶予を打ち切る。 EUなどは対抗措置を打ち出す構え。中国に加え、欧州とも貿易摩擦が激しくなるのは避けられない。 6月1日から鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を上乗せする。米国にとってEU、カナダ、メキシコは主な鉄鋼の輸入先で、あわせて輸入全体の4割を占める。国際市況に影響を及ぼすほか、鉄鋼メーカーや鉄鋼を使う自動車メーカーなどの企業は事業戦略の見直しを迫られる。消費者の負担もかさみ、世界をけん引する米経済に重荷となる。 トランプ政権は3月23日、鉄鋼とアルミの輸入増が安全保障上の脅威になっているとの理由で日本や中国など一律に輸入制限を発動した。 EUやカナダなど7カ国・地域は猶予し、通商交渉で譲歩すれば関税の対象から恒久的に外す方針をとってきた。 しかしEUは関税適用の除外が先だとして、米国が求める車の関税引き下げ協議や鉄鋼の輸出規制の受け入れを拒んできた。カナダとメキシコと進める北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉も車貿易を巡って対立が続く。米政権はこれ以上猶予を延ばしても譲歩を引き出すのが難しいと判断した。 EUは関税が発動されれば、米国からの輸入品に報復関税を課すなど対抗措置を打ち出す構えをみせている。米政権は23日、安保を理由に車の関税引き上げの検討にも入った。今後もEUと通商交渉を続ける構えだが、関税をかけ合って双方の経済に悪影響が及ぶ事態になる可能性がある。 日本政府は鉄鋼関税の適用除外を求めてきたが、米政権は交渉次第との姿勢を崩していない。日本は車関税の引き上げにも反対している。 トランプ政権は29日、中国の知的財産侵害に対する制裁関税を発動すると改めて表明。米中の貿易摩擦も再燃している。11月の中間選挙を控えて強硬姿勢に傾くトランプ政権の保護主義的な通商政策が、世界経済の足かせとなりそうだ。

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