学校法人「森友学園」 (大阪市)への 国有地売却を巡る決裁文書改ざん問題で、 財務省は4日午後、 省内の 調査結果を公表する。 当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が事実上、 改ざんなどを指示していたと認定する見通し。 佐川氏を停職3カ月相当にするなど20人を懲戒や厳重注意などで処分し、 麻生太郎財務相は給与を自
学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡る決裁文書改ざん問題で、財務省は4日午後、省内の調査結果を公表する。当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が事実上、改ざんなどを指示していたと認定する見通し。佐川氏を停職3カ月相当にするなど20人を懲戒や厳重注意などで処分し、麻生太郎財務相は給与を自主返納する方針。麻生氏は続投する意向で、改めて野党などから責任を問う声が出そうだ。
財務省は、改ざんは佐川氏の国会答弁とつじつまを合わせる形で行われたと説明。調査に対し、複数の近畿財務局の職員が「改ざんは佐川氏から指示された」と証言した。佐川氏は自らの直接的な指示を否定している模様だが、同省は佐川氏の事実上の指示があったと認定する見通しだ。
調査結果に基づき、佐川氏を停職相当、理財局の中村稔総務課長を停職1カ月の懲戒処分にする。既に退職した佐川氏については、停職とする期間に応じて退職金を減額する。当時の次官や官房長など他の幹部も、監督責任などを問う方針。ただ、改ざん自体は理財局と近畿財務局で行われ、他の部署の関与はなかったと結論づけるとみられる。
決裁文書の改ざんは3月2日に報じられ、財務省は同12日、国有地取引に関する決裁文書14件が昨年2~4月に改ざんされていたことを認めた。文書からは、安倍晋三首相の妻昭恵氏や複数の政治家の名前など300カ所以上が削除されるなどしていた。
今年5月には、佐川氏が国会で「廃棄した」と繰り返していた学園側との交渉記録が1000ページ近く残っていたことも公表。調査では改ざんや記録の隠蔽・廃棄の経緯も報告する。
国有地売却を巡っては、佐川氏など財務省職員ら計38人が、背任や虚偽公文書作成など6容疑で告発され、大阪地検特捜部は5月31日、全員を不起訴処分とした。【岡大介、浜中慎哉】