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サッカー フランス-クロアチア、今夜決勝 堅守速攻か 粘り強さか

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<Russia 2018 WorldCup> フランス-クロアチアによる決勝が、 15日午後6時(日本時間16日午前0時)からモスクワの ルジニキ競技場で行われる。 フランスは1998年フランス大会以来2回目、 クロアチアは初の 優勝を目指す。
<Russia 2018 WorldCup>
フランス-クロアチアによる決勝が、15日午後6時(日本時間16日午前0時)からモスクワのルジニキ競技場で行われる。フランスは1998年フランス大会以来2回目、クロアチアは初の優勝を目指す。
両国の対戦成績はフランスの3勝2分けで、W杯では98年大会の準決勝で当たり、2-1でフランスが勝利している。
フランスは、選手として98年大会の優勝を経験しているデシャン監督に導かれ、堅実な戦い方で勝ち上がってきた。クロアチアは決勝トーナメントに入り3試合連続の延長(うち2試合はPK戦)をしのいで初めての決勝にたどり着いた。クロアチアはフランスよりも1試合分となる約90分長くプレーしている。準決勝から決勝までの日数もクロアチアの方が1日短い。
フランスは無失点に抑えた4試合を含め総失点は4と堅守が光る。唯一勝ち越しを許して打ち合いになった決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦を除けば、相手にボールを持たせながら自陣で引いて守り、快足のエムバペを走らせてのカウンター攻撃や、セットプレーから得点を奪うしたたかさがある。
相手をじらしながら得点機をうかがい、一発をものにできるか。先行すれば守備力でゴール前のスペースを消して固め、攻め入る余地を与えない展開に持ち込める。
クロアチアはモドリッチとラキティッチが中盤で大きく動きながら試合を組み立て、豊富な運動量で粘り強く戦ってきた。ただ、接戦を続けてきたことによる疲労は大きな懸案。イングランド戦の前半のように、パスミスを連発すれば、苦しくなる。
一方で、厳しい試合を勝ち抜いてきたことでチームの一体感は高まり、モチベーションは高い。前半から積極的に攻め、早い時間帯に先制したい。それによって反撃が必要なフランスを前に出させることができれば、追加点のチャンスも生まれ勝機は高まる。【丹下友紀子】
◆対照的な2国、それぞれの系譜
「東欧のブラジル」と称された旧ユーゴスラビア時代から、多くのテクニシャンを輩出したクロアチア。分離独立と紛争を経て初出場した1998年W杯フランス大会で3位に躍進した。
立役者のFWシュケルは得点王に輝いた。シュート技術に優れ、日本との初出場対決でも決勝点を挙げた。現在はクロアチアのサッカー連盟会長を務める。 MFボバンはトップ下もボランチもこなす攻守の要。民族対立が激化した90年に試合会場で暴動が起こり、セルビア人警察官と乱闘し出場停止処分を受けたことで知られる。現在はFIFA副事務局長の要職にある。
今大会で流れを引き継ぐのはMFモドリッチだ。正確なキックと広い視野でレアル・マドリード(スペイン)の欧州チャンピオンズリーグ3連覇に貢献。 W杯でも労を惜しまず攻撃を組み立てる。パスもドリブルも得意なMFラキティッチ、決定力のあるFWマンジュキッチらも擁する攻撃陣の層は厚い。「決勝進出はクロアチアのスポーツ全体に大きな意味をもつ」とモドリッチ。人口約419万人の小さな国が新たな歴史を切り開く。【大谷津統一】
W杯でフランスの背番号「10」を背負ってきた選手たちを見ていくと、フランスサッカーの変遷を感じる。
連続で4強入りした1982年スペイン大会、86年メキシコ大会に出場したプラティニは「将軍」と称された。豊富な種類のパスに確かな足元の技術、広い視野を持ち合わせ、中盤での小気味よいパス回しがシャンパンの泡に例えられ、「シャンパンサッカー」と称された80年代のフランスの中心だった。
初優勝した98年フランス大会から2006年のドイツ大会まで「10」を受け継いだのがジダン。華麗なボールタッチに、パス、ドリブル、シュートと全てを兼ね備えた選手は、勝つだけではなく、見る者をも楽しませた。その後はプラティニやジダンほどのスターが出ていない。
10番は、10年南アフリカ大会は爆発的なスピードやドリブルでの突破を武器にしたゴブー。14年ブラジル大会は身体能力が高かったベンゼマが背負った。今大会の「10」は快足を武器にカウンターサッカーの中心となっているエムバペが背負っている。19歳とは思えない大胆なプレーと存在感は、新たなスターに育つ可能性に満ちている。【丹下友紀子】
決勝で対戦する両チームのキーマンとなるのが、ともに背番号「7」をつけるフランスのFWグリーズマン(27)とクロアチアのMFラキティッチ(30)。グリーズマンはアトレチコ・マドリード、ラキティッチはバルセロナと、スペインリーグで切磋琢磨(せっさたくま)している。ともに2014年ブラジル大会に続く2回目のW杯出場。優勝の行方を大きく左右する。
トップ下でプレーするグリーズマンは、視野の広さと正確なパスで攻撃を操る。16年欧州選手権は6得点で得点王と最優秀選手に輝くなど、ストライカーとしても能力の高いレフティーだ。ただ、今大会はチーム全体がカウンターサッカーを基本としており、グリーズマンのアタッカーとしての役目は少ない。3得点のうち2点はPKで挙げたものだ。しかし相手が嫌がるような場所へと的確なボールを送り、準々決勝のウルグアイ戦では自ら鋭いミドルシュートを決めている。
クロアチアの攻撃を中盤で組み立てるのがラキティッチ。1次リーグ第2戦、アルゼンチン戦の3点目で見せたように、ドリブルで持ち上がりシュートまで持ち込むなど打開力もある。
特筆すべきは、縦横無尽に走る献身的なプレーだ。疲労を心配する声にも「まだエネルギーもパワーもある」と心配は無用のよう。「人生で最も大きな試合」と語る一戦に、気持ちも高ぶっている。【丹下友紀子、写真は長谷川直亮】
W杯ロシア大会は15日、モスクワ・ルジニキ競技場で決勝のフランス-クロアチア戦が行われる。14日、両チームが同競技場で記者会見した。
フランスのデシャン監督・いずれも長谷川直亮撮影=は決勝での準備で大切な三つのこととして「落ち着くこと、自信を持つこと、集中すること」を挙げた。若い選手が多いチームに「経験は少ないかもしれないが、質の高い選手がいる」と期待を込めた。
また、主将のロリスは「クロアチアの選手の質はとても高い。3度の延長を戦い勝ってきたのは何か特別なものがあるからだ」と警戒する。「最も大事な試合で、このレベルでは精神的な強さが大事になる」と語った。
クロアチアのダリッチ監督は「何のプレッシャーも感じていない。全世界が見つめる中で最高の試合をする。私たちにとっては最高の瞬間になる」と明るい表情を見せた。クロアチアが頂点に立てば優勝国として大会史上9チーム目で、最も国土の小さな国となる。「優勝できれば、こんな小さな国でも優勝できるんだという誇りになる」と意義を語る。
モドリッチは最優秀選手に与えられる「ゴールデンボール賞」に近い存在とも見られているが、「チームを勝たせたい。チームが成功することだけに集中している」と、初優勝だけに意識を向けた。【丹下友紀子】
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