カザフスタンの スポーツ界をリードしていたテン選手の 死は大きな衝撃を与えている。
フィギュアスケート男子で2014年ソチ冬季五輪で銅メダルを獲得したデニス・テン選手(25)=カザフスタン=が19日、同国のアルマトイで強盗に遭い刺殺された。地元メディアの「KAZINFORM」などが報じた。
報道によると、事件は午後3時(日本時間同6時)ごろ起きた。男2人組とみられる強盗が、テン選手の車からミラーを盗もうと試みたのが発端。口論が次第に激しさを増し、最後はナイフでテン選手が刺されたという。通りかかった人が救急車を呼んだが、太もも上部から大量に出血しており、すでに意識はない状態だったという。緊急搬送された病院で、2時間にわたって蘇生措置が施されたが、午後5時半に死亡が確認された。
カザフスタンのスポーツ界をリードしていたテン選手の死は大きな衝撃を与えており、カザフスタンのほかロシアメディアも速報で伝えた。また、カザフスタンのスポーツ文化相は死亡が確認される前、「大きな悲劇で、頭の整理ができない。みんな彼が回復することを祈っている」と語っていた。
エフゲニー・プルシェンコさん(06年トリノ五輪で金メダル)らを育てたことで知られるロシアのコーチ、アレクセイ・ミーシン氏はノーボスチ通信の電話取材に「デニスは立派な人間、輝けるフィギュアスケート選手、すばらしい息子、同僚として、私の記憶と全フィギュア・スケート界の記憶に残る」と語った。
(朝日新聞デジタル 2018年07月19日 23時08分)