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「今は負けがすごく悔しい」初出場の白山

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夏の 甲子園で11日、 春夏通じ初出場の 白山(三重)は愛工大名電(西愛知)に敗れた。 津市の 山あいにある無名の 県立校。 「日本一の 下克上」 を掲げた挑戦は初戦で甲子園常連校にはね返されたが、 選手たちは成長ぶりを大観衆に披露した。
夏の甲子園で11日、春夏通じ初出場の白山(三重)は愛工大名電(西愛知)に敗れた。津市の山あいにある無名の県立校。「日本一の下克上」を掲げた挑戦は初戦で甲子園常連校にはね返されたが、選手たちは成長ぶりを大観衆に披露した。
チームは、志望校を不合格となって入学してきた選手が少なくない。辻宏樹主将(3年)も受験に失敗し「白山しか行くところがなかった」。山本朔矢投手(同)は当初、野球部の士気が低いと感じ「ここに入って良かったのか不安になった」。東(ひがし)拓司監督(40)は「自分を落ちこぼれと思い、自信の無い子たちだった」と振り返る。
大阪体育大で上原浩治選手(巨人)と一緒にプレーした東監督が就任した5年前、白山の野球部員はわずか5人。夏の三重大会は2016年まで10年連続で初戦敗退した。
東監督は中学チームの監督らを通じて声をかけ、部員を増やしてきた。「過疎地の公立校でも甲子園に出られることを示したい」と選手を鼓舞し続けた。
設備が不十分な中、実戦で鍛えて経験も積むべきだと考え、休日のほぼ全てを充てて年間約150回の練習試合を県内外の強豪校とした。東監督が自らマイクロバスのハンドルを握って移動した。
「入部時は負けが当たり前だった。今は負けがすごく悔しい」と選手たちの意識も変わった。11日の試合は無得点に終わったものの鋭い打球を放ち、好守備や好走塁を見せた。代打で中前打を放った河村岳留選手(2年)は「白山に入って良かった。3年生を超えるため努力したい」と涙ながらに話した。
甲子園出場決定後、佐賀県立太良高野球部から「うちも全く同じ環境。何とか強いチームにするぞと勇気をもらった」と電報が届いた。東監督は「全国に希望を与えられたかな。来年もまた出られるよう努力します」と笑顔で甲子園を後にした。【横田伸治】

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