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【解説】広島 今季圧勝 その理由

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プロ野球・ 広島は今シーズン、 攻守でセ・ リーグの ほかの チームを圧倒して2位以下を大きく引き離し、 球団史上初の リーグ3連覇を…
プロ野球・広島は今シーズン、攻守でセ・リーグのほかのチームを圧倒して2位以下を大きく引き離し、球団史上初のリーグ3連覇を果たしました。 広島は就任4年目を迎えた緒方孝市監督のもと、去年のリーグ連覇に貢献した主力選手を中心にシーズンに臨み、13年ぶりとなる開幕3連勝と順調なスタートを切りました。 しかし、4月27日には開幕投手の野村祐輔投手が背中の張りで1軍の出場選手登録を抹消されました。さらにその2日後には去年のリーグMVPの丸佳浩選手が右足のけがで登録を抹消され、投打の中心を欠く事態となりました。 こうした中、投手陣を引っ張ったのは5年目を迎えた大瀬良大地投手でした。大瀬良投手は今シーズン、左腕を高く上げるフォームにしたことと2段モーションの事実上の解禁に伴ってストレートの力強さが増し、4月の下旬から7連勝をマークしました。 そして野手では、丸選手に代わってセンターを任された4年目の野間峻祥選手が、5月19日のヤクルト戦で新人時代以来のホームランとなる逆転の満塁ホームランを打つなど結果を残し、主力が抜けた穴を埋めました。 チームは首位を走り続ける中、7月6日。地元の広島県が記録的な豪雨に見舞われました。県内の各地で大きな被害が出て亡くなった人や安否のわからない人が多数いる中、球団は地元の感情の配慮し、試合をすることはできないとして豪雨の直後のマツダスタジアムでの3連戦を中止する異例の対応を取りました。 緒方監督は「微力ながらわれわれにできることはグラウンドで精いっぱいプレーして少しでも明るいニュースを届けること。そのために1日1日頑張っていきたい」と話し、選手たちとともに改めてリーグ3連覇と日本一を誓いました。 7月20日。豪雨の後、最初のマツダスタジアムでの試合は、5ゲーム差の2位巨人との直接対決でした。試合前、黙とうして試合に臨んだ広島は序盤7点をリードしながら、投手陣が打ち込まれて同点に追いつかれ、延長にもつれ込む展開となり、10回にはジャクソン投手がホームランを打たれて巨人に勝ち越されました。 勝利は遠のいたかに思われましたが、選手たちは諦めていませんでした。その裏。途中出場の下水流昂選手が2アウト一塁で3号ツーランホームランを打って劇的な逆転サヨナラ勝ちを果たし、地元に勝利を届けたのです。 下水流選手は「本当に久々の本拠地での試合だったので、なんとか皆さんに勝利を届けられるようにチーム一丸となって戦い、勝利の報告ができて本当によかった。今、被災地は本当に大変だと思いますがともに一緒に戦っていきましょう」と呼びかけました。 2位の巨人に3連敗すればゲーム差が「2」に縮まり、優勝の行方がわからなくなる3連戦を3連勝で終え、ゲーム差を「8」に広げた広島はその後も勢いに乗り、8月15日には去年より1試合早い101試合目で優勝へのマジックナンバーが点灯しました。 リーグトップの得点力を誇る打線をけん引したのは、ケガから復帰した3番 丸選手と4番に定着した鈴木誠也選手の2人でした。 鈴木選手はシーズン序盤こそ去年骨折した右足首の影響で代打での出場が目立ちましたが、その後先発に復帰して徐々に調子を上げました。 そして8月には打率4割1分4厘をマークして4番として存在感を見せました。また、丸選手は戦列を1か月離れたにもかかわらず、プロ11年目で初めてホームランを30本の大台に乗せ、ホームラン王争いに名乗りを上げました。 8月23日のヤクルト戦では最大7点差を追いかける苦しい展開も、3点差で迎えた9回に、丸選手のスリーランホームランと鈴木選手のホームランで逆転サヨナラ勝ち。ことしの広島の強さを象徴する試合となりました。 また投手陣では、リリーフ陣が苦しむ中、ことし5月に育成から支配下選手に登録されたドミニカ共和国出身のフランスア投手が台頭し、8月にはプロ野球記録に並ぶ18試合に登板しました。 そして、ことし大きな飛躍を遂げたのが大瀬良投手でした。開幕から先発ローテーションを守り、9月1日には両リーグ最速で15勝をマーク。まさに投手陣の柱としてチームを引っ張りました。 首位をひた走るチームの結束をさらに強めたのが新井貴浩選手でした。3年前に阪神から広島に復帰しリーグの2連覇に貢献した41歳のベテランは「若手がすごく力をつけてきていますし、これからの2年後3年後、5年後のカープのことを考えた時に、ことしがいいのではないかと考えました」と、9月5日、今シーズン限りでの引退を表明しました。 “新井さんを最高の形で送り出したい” 攻守で他のセ・リーグのチームを圧倒した広島は、2位以下を大きく引き離し、球団史上初のリーグ3連覇を達成しました。

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