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仮想通貨業者を一斉調査 金融庁

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仮想通貨交換業者の テックビューロ(大阪市)で仮想通貨が流出したことを受け、 金融庁は20日、 全交換業者を対象に顧客の 財産管理について一斉調査に着手した。 1月に約580億円分の 仮想通貨流出事件が起きたコインチェックが未登録の 「みなし業者」 だったの に対し、 今回は金融庁の 登録済み業者で初の 巨額流出事件とな
仮想通貨交換業者のテックビューロ(大阪市)で仮想通貨が流出したことを受け、金融庁は20日、全交換業者を対象に顧客の財産管理について一斉調査に着手した。1月に約580億円分の仮想通貨流出事件が起きたコインチェックが未登録の「みなし業者」だったのに対し、今回は金融庁の登録済み業者で初の巨額流出事件となる。利用者の不安が高まるのは必至だ。【小原擁、鳴海崇】
テックビューロは2014年6月に設立。17年9月、金融庁から交換業者として登録が認められた。近年の仮想通貨取引の急拡大に伴い、会社も急成長。昨年10月には仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)で100億円以上の資金を集めたと発表し、注目を浴びた。
しかし、金融庁への登録後も同社が運営する交換所「Zaif(ザイフ)」で売買が一時できなくなるなどのトラブルが頻発。コインチェックの仮想通貨流出事件後の2月16日には、仮想通貨を0円で販売するシステムトラブルが発生するなど、セキュリティー対策の不備が露呈した。金融庁は「顧客の資産を守るための対策が万全ではない」などとして3月と6月の2回、業務改善命令を出していた。
テックビューロが不正流出を起こした原因について、ある業界関係者は「大手企業の傘下になく、資金も乏しいため、セキュリティーに対応する人員が少なかったのではないか」と指摘する。別の関係者は「仮想通貨技術について詳しく、さまざまな業界と実験をするなど『攻め』の部分が際立っていた。しかし、その分、顧客資産を守るという『守り』がおろそかになっていたのでは」とみる。
一方、金融庁は改善命令を出した3月以降、テックビューロに対して実効性のあるリスク管理体制の構築を求め、提出された改善計画が実行されているか検証作業に入ろうとした矢先だった。幹部は「遠からず登録業者も被害に遭う恐れが高いと考えていた。いくら厳しく改善を求めても、具体的な対応が鈍すぎた」と話す。
このため金融庁は、緊急の一斉調査で、テックビューロのようにインターネットに接続したリスクの高い状態で仮想通貨を管理しているかどうかを確認する。
仮想通貨業界に詳しい大和総研金融調査部の矢作大祐氏は「匿名性のある通貨も扱うことから仮想通貨交換業者はハッカーに狙われやすい側面がある。セキュリティー対策などのコストと、流出などが起きた時のリスクを十分考えて対応していく必要がある」と話す。
警察庁によると、ビットコインなどの仮想通貨が不正アクセスによって盗み出された被害は今年上半期(1~6月)に158件あり、前年同期の3倍に急増した。1月に発覚した約580億円相当のNEM(ネム)流出を含め、被害総額は約605億円に達した。
被害に遭った通貨は19種類で、ビットコイン94件(被害額約8億6000万円)▽リップル42件(同15億2000万円)▽イーサリアム14件(同6100万円)--など。昨年の上半期の被害は計51件で、総額は約1億1500万円だった。
同庁によると、主な手口は、利用者のパソコンをウイルス感染させるなどしてIDとパスワードを盗み取り、利用者のアカウントから別のアカウントに通貨を移すものだった。ただ、通貨交換業者「コインチェック」からNEMが流出した事件は、同社のシステムが不正アクセスで操作されたとみられている。【内橋寿明】

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