Home Japan Japan — in Japanese 親と離れた場所で被災したら…子どもの防災考える 母親らが啓発活動

親と離れた場所で被災したら…子どもの防災考える 母親らが啓発活動

135
0
SHARE

地震などの災害時に課題となる「子どもの防災」。特に親の目が届かない場で被災した時に、命をどう守ればいいのか。子どもの防災教育や啓発に取り組む「ママコミュ!ドットコム」(大阪市天王寺区)の出水真由美代表は「防災は一生ごと。若いうちから学んでもらい、地域や家庭に知識を広げてほしい」と話す。【まとめ・野
地震などの災害時に課題となる「子どもの防災」。特に親の目が届かない場で被災した時に、命をどう守ればいいのか。子どもの防災教育や啓発に取り組む「ママコミュ!ドットコム」(大阪市天王寺区)の出水真由美代表は「防災は一生ごと。若いうちから学んでもらい、地域や家庭に知識を広げてほしい」と話す。
 ――防災に関する活動を始めたきっかけは。
 ◆ に子どもが生まれて、働きながら初めての子育てに悪戦苦闘していました。そこで、子育て中の女性が交流して、互いに応援できるように14年に団体を立ち上げました。
 その中で「今、阪神大震災や東日本大震災のような災害があったら、子どもとどう逃げたらいいんだろう」と考えたのがきっかけです。特に東日本大震災は日中の発生で、幼稚園のバスや小学校にいた児童たちが津波に被災しました。「昼間の災害は学校に行っている子どもを助けに行けない」と思い知ったのが活動の始まりです。
 ――どのような活動を展開しているのでしょうか。
 ◆親と離れている時間帯の防災は子どもを強くするしかないと考え、16年に天王寺消防署に協力してもらって災害時の避難についての勉強会を始めたのが最初です。行政とも連携して、防災イベントなどにも参加するようになりました。
 近年は代表的な活動として、小中学生を対象にした「U15のための防災カレッジ」という講習の企画を続けています。校区にいることが多い小中学生に防災の知識や地域の情報を身につけてもらい、学校の友人らへの発信者にもなってほしい。そうすれば子どもの世界や家庭内で防災情報が広がるのではないかと考えています。
 ――その後は。
 ◆年少者にも知識を伝える、いわば防災のキャプテンになってもらいたいと思い、海外の人と国際交流もできる「グローバルユース防災サミット」という学びの場を作っています。海外は防災の価値観や都市機能も違うので、考え方もより広がります。
 ――小中学生への教育で大切にしていることは何ですか。
 ◆災害はいつどこで、どんな状況で起こるかわかりません。「この場合はこうしなさい」と教えるのではなく、命を守るための正解となり得る行動の候補をいくつも考えられるようにすることを意識しています。また、学校の教科で習う内容と関連付けたり、数字を子どもたちがイメージしやすいものに変換して伝えたりするようにしています。
 ――どういうことでしょうか。
 ◆例えば、18年に大阪府などに大きな被害をもたらした台風21号の最大瞬間風速は時速にすると、米大リーグで活躍する大谷翔平投手の投げる球に相当します。津波は陸上短距離のウサイン・ボルト選手でも追いつかれる速さと説明すると、子どもたちも災害が目前に迫ってから逃げることがいかに困難かを理解してくれます。
 ――防災士の資格取得者を増やす取り組みもしていますね。
 ◆命を左右する行動の判断について伝えるのに受け売りで話すのはいけないなと考えて、私自身も17年に息子と一緒に取得しました。防災士の教本を読むと法律から心理学まで、いかに関わる領域が広いかを実感できます。防災は生きていく上で欠かせない知識だからこそ、多くの人に若いうちから学び、発信者にもなってほしいです。
 ――22年には岐阜県の子育て支援団体と、災害時に協力し合う協定を結びました。
 ◆どちらかが地震などで被災した場合、影響を受けなかった側が受け入れや避難生活を支援する協定です。南海トラフ地震のような津波を伴う大災害があった時は、大阪府内で避難できる場所は限られます。そうした時に他県の団体と連携することで、物資や情報の支援だけでなく、幼い子どもや高齢者などがいる家庭などを被災していない地域でいち早く受け入れられる手助けをできればと考えました。同時被災のリスクが少ない地域同士の共助と交流の輪は、今後も広げていきたいと思います。ママコミュ!ドットコム
  、大阪市天王寺区の子育て中の母親らで設立。母親の交流と、子どもと防災をテーマに活動している。イベント出展の際にはメンバーと、約1000人のSNS(ネット交流サービス)のフォロワーから参加する有志らで活動している。22年には「U15のための防災カレッジ」が大阪市の「キラッと輝く!OSAKA市民活動グランプリ」で最優秀賞を受賞した。問い合わせはホームページ(https://mamacomu.

Continue reading...