台風２１号の 影響で、 近畿の 鉄道の 多くは４日夜も運行見合わせを続け、 帰宅の 足が乱れた。 ＪＲ西日本と南海電鉄、 京阪電鉄は今回、 前日に運行見合わせを告知する「計画運休」 を行い、 ４日午前から順次運行を取りやめた。 計画運休を実【経済】
台風２１号の影響で、近畿の鉄道の多くは４日夜も運行見合わせを続け、帰宅の足が乱れた。
ＪＲ西日本と南海電鉄、京阪電鉄は今回、前日に運行見合わせを告知する「計画運休」を行い、４日午前から順次運行を取りやめた。計画運休を実施しなかった近鉄や阪急電鉄、阪神電鉄も、午後から全線で運行を見合わせ、新幹線も東京―新大阪駅間などで夜まで運休が続いた。
ＪＲ大阪駅では、普段は帰宅ラッシュが始まる午後５時台になっても、運行は再開されず、人通りはまばらなまま。大型モニターに運行見合わせを示すバツ印が並び、床に座り込んで再開を待つ人もいた。
大阪府寝屋川市の清掃員の女性（７０）は「夜には再開すると思っていたのに。タクシーはお金がかかるので再開を待ちたいが、一体いつになるのか」と途方に暮れた様子。神戸市西区の会社員の女性（４０）は「仕事があったので早めに帰れなかった。 ＪＲか私鉄のどちらかは動くと思っていたが、このままならホテルを探さないと」と話した。
また、関西空港が大きな被害を受けたため、ＪＲ新大阪駅では、別の空港に向かおうとする観光客であふれたが、新幹線も運休。この日帰国予定だったカナダ人の男性（２６）は「まさか空港も新幹線も使えないなんて。早く帰国のメドだけでもつけたい」とため息をついた。
ただ、事前に運休を告知していたため、在来線の多くでは大きな混乱はみられなかった。
ＪＲ西の担当者は「利用者に迷惑をかけたことに違いないが、早めに告知した効果が出た。計画運休が定着してきている」と話した。
初めて大規模な計画運休を実施した南海電鉄の担当者も「利用客からの問い合わせも過去の台風の時より少なかった。今後も実施していきたい」と話した。
ＪＲ西では５日も始発から運休や遅れが出る見通し。南海電鉄も一部で始発から運転を見合わせる。
一方、台風は観光地にも打撃を与えた。
大阪市のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」（ＵＳＪ）は４日に続き、５日も営業中止することに決めた。２日連続の終日休業は２００１年の開園以来初めて。施設内にある植栽やベンチなどの設備を補修する必要が生じたためという。
大阪・ミナミの道頓堀でも、多くの店舗が午前から臨時休業。福岡県久留米市の大学１年の女性（１８）は「ＵＳＪが休止になったので道頓堀に来たけど、危ないのでホテルに戻ります」と話した。
