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「2島先行」、首相周辺で検討本格化 ロシア世論は反発

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シンガポールで14日開かれた安倍晋三首相とロシアの プーチン大統領による首脳会談。 両首脳は1956年の 日ソ共同宣言を基礎に協議を重ねていくことで合意したが、 懸案の 北方領土問題で折り合える道はあるの か、 …
シンガポールで14日開かれた安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領による首脳会談。両首脳は1956年の日ソ共同宣言を基礎に協議を重ねていくことで合意したが、懸案の北方領土問題で折り合える道はあるのか、予断を許さない。
首脳会談の直後、首相は記者団に対して、平和条約締結後に歯舞・色丹の2島を引き渡すと明記した日ソ共同宣言に言及した。「1956年の共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速させる。本日そのことでプーチン大統領と合意した」。日ロ間で今後、2島の返還交渉が軸となりそうだ。
「共同宣言に書かれている内容を完遂する形で平和条約を結ぼう」。日本政府関係者によると、首相は会談でプーチン氏にこう呼びかけた。首相が会談で目指したのは、プーチン氏が9月に提案した「前提条件なし」の平和条約締結は困難だと伝えることだった。
首相はプーチン氏の提案を修正する形で、共同宣言を「基礎」に今後の交渉を進めると提案。さらに、北方四島で共同経済活動を進めることで、平和条約問題を進展させるという、2016年12月に東京で両首脳が発表したプレス向け声明を再確認した。
会談は想定より30分ほど長い約1時間半に及んだ。うち約40分は両首脳だけの会談で、この間に平和条約について議論。その後出席を予定していたシンガポールのリー・シェンロン首相主催の夕食会を欠席してまで協議を続けた。
首相周辺ではプーチン氏が9月、平和条約の年内締結を提案したことをきっかけに「2島先行返還」の検討が水面下で本格化している。
首相官邸幹部は、プーチン氏が56年宣言に言及し、両国は調印しただけでなく批准していると強調したことに着目。首相側近は日本政府が平和条約締結の前提とする4島の帰属問題の解決について、「日ロ両国が何をもって『解決』と言うかだけの話だ」と指摘する。何らかの形で「2島先行」にかじを切る可能性に言及していた。
日本政府内には歯舞、色丹の引き渡し条件と国後、択捉の帰属問題を同時並行で協議する案もある。安倍政権下で協議入りした共同経済活動も、56年宣言に基づく歯舞・色丹の引き渡しを見据えたものだった。
首相も官房副長官だった02年の講演で、平和条約締結は4島返還後としつつ、「2島返還決着論は問題があるが、2島先行返還論は必ずしも問題ない」と語ったことがある。「2島返還決着論」と受け止められない舞台を整えられるかが大きな焦点となる。
しかし、仮に2島先行返還を容…

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