【ラスベガス＝中西豊紀】トランプ次期米大統領は３日、自身のツイッター上に「米ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）が米国で売るメキシコ製『シボレー・クルーズ』には高関税をかけてやる」との声明を投稿した。米フォード・モーターがメキシコ工場新設撤回を発表する直前の投稿で、ＧＭにも生産の海外移転を見直すよう圧力をかける狙いがあるとみられる。
「シボレー・クルーズ」とメアリー・バーラ最高経営責任者（2015年６月）＝ロイター
トランプ氏の投稿を受けＧＭは「米国で売られているクルーズのセダン型はすべて米オハイオ州でつくっている。ハッチバック型はメキシコ製だが、米国での販売はわずかだ」と反論するコメントを発表した。
トランプ氏は大統領に当選後、企業をツイッターなどで名指しして自身の政策に従わせる「口先介入」を続けている。自動車ではフォードがもっぱらの標的だったが、同社がメキシコ投資を断念したことで、矛先をＧＭに向けたとみられる。
自動車以外では、空調大手キヤリアがトランプ氏の批判を受けてメキシコへの工場移転を取りやめた。航空大手のボーイングとロッキード・マーチンも政府への納入機体価格が高すぎるとして値下げを求められている。
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