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「9条に自衛隊明記」「改憲20年施行目指す」

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改憲時期に初言及 憲法改正推進派集会にビデオメッセージ 安倍晋三首相は3日、 憲法改正推進派の 民間団体が東京都内で開いた集会に自民党総裁としてビデオメッセージを寄せ、 「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」 と表明した。 具体的な項目として憲法9条をあげ、 戦争放棄をうたった1項と戦力不保持を定めた2項を堅持した上で、 自衛隊の 存在を明記する条文を加えるよう主張。 改憲による高等教育までの 教育無償化にも前向きな考えを示した。
安倍晋三首相は3日、憲法改正推進派の民間団体が東京都内で開いた集会に自民党総裁としてビデオメッセージを寄せ、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と表明した。具体的な項目として憲法9条をあげ、戦争放棄をうたった1項と戦力不保持を定めた2項を堅持した上で、自衛隊の存在を明記する条文を加えるよう主張。改憲による高等教育までの教育無償化にも前向きな考えを示した。
首相が改憲の具体的な目標時期に言及したのは初めて。20年を目標とした理由については「(東京で)五輪・パラリンピックが開催される2020年を日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだ」と述べた。総裁任期の延長をふまえ21年までの続投を念頭に、任期内に改憲を実現する決意を示したとみられる。
首相は「憲法改正の発議案を国民に提示するための具体的な議論を始めなければならない」と述べ、衆参両院の憲法審査会での議論を加速するよう促した。しかし、民進党は「安倍政権下での改憲に反対する」としており、憲法審では改憲項目の絞り込みも進んでいない。首相が一方的に目標を設定したことに対して野党が反発するのは必至で、憲法審の議論がかえって停滞する可能性もある。
憲法9条については「自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置づけるべきだ」とし、「1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込むという考え方は国民的な議論に値する」と述べた。
9条の1、2項を変えず、憲法の平和主義を堅持したうえで、新たな条文を付け加えて自衛隊の合憲性を明確にする考え方は公明党や民進党の一部にもある。首相としては幅広い合意を得やすい「9条改憲論」として打ち出したとみられる。自民党が12年にまとめた改憲草案では、9条を大幅に修正し「国防軍」の保持を明記したが、自民党は野党の反発を受け、憲法審の議論では棚上げしている。
ただし、与野党の憲法審メンバーなどの間では、国民の賛否が分かれる9条から改憲に着手するのは得策ではないという考え方が根強い。この点でも首相の思惑が通じるかは不透明だ。
また「教育は極めて重要なテーマ」と強調。「高等教育についても、全ての国民に真に開かれたものとしなければならない」と述べ、改憲による教育無償化に前向きな姿勢を示した。教育無償化を憲法改正案の柱に据える日本維新の会の協力を得る狙いがあるとみられる。【田中裕之】
・国会議員が憲法改正の発議案を国民に提示するための具体的な議論を始めなければならない時期だ
・9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む考え方は国民的な議論に値する
・教育は極めて重要なテーマ。高等教育も全ての国民に開かれたものとしなければならない
・2020年を新しい憲法が施行される年にしたい

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