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5人死傷、事件と事故両面で捜査

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岐阜県高山市桐生町の 介護老人保健施設「それいゆ」 で7月末以降、 入所者3人が相次いで死亡し、 2人が負傷していたことが明らかになった。 県警は施設職員18人から事情を聴くなどして、 事件と事故の 両面で捜査している。 県は18日、 介護保険法に基づき施設を立ち入り調査した。
岐阜県高山市桐生町の介護老人保健施設「それいゆ」で7月末以降、入所者3人が相次いで死亡し、2人が負傷していたことが明らかになった。県警は施設職員18人から事情を聴くなどして、事件と事故の両面で捜査している。県は18日、介護保険法に基づき施設を立ち入り調査した。
施設を運営する医療法人同仁会の折茂謙一理事長が18日記者会見し、入所者の死傷の経緯を説明した。
説明によると、今月6日深夜、女性(93)が自室で転倒しているのが発見され、脳挫傷と頭蓋骨(ずがいこつ)骨折で翌早朝に死亡した。12日夕には女性(87)が自室で顔面蒼白(そうはく)になっているのを職員が見つけ病院に搬送したが、折れた肋骨(ろっこつ)が刺さって肺の中に血がたまる外傷性血気胸などで翌日夜に死亡した。
7月31日夕にも男性(80)がデイルームで食事中に意識を失い、間もなく死亡した。また、8月15日に女性(91)が多発肋骨骨折などで、16日には女性(93)が肺挫傷でそれぞれ病院に搬送された。
会見で折茂理事長は「非常に短期間に起きたのが問題だったと思う」と陳謝した。死亡した87歳女性については、12日午後3時におやつを食べた際に異常は見られなかったが、同4時40分に介助職員が来た時は瀕死(ひんし)の状態だったと明かした。
折茂理事長は「介助で体を圧迫した際に胸骨などにひびが入り、ベッドから車椅子に移動する時に肋骨がずれた可能性がある」とする一方、「監視カメラもないし、空白の時間に誰か他の人がやった可能性は100%否定できない」と述べた。
一方、93歳女性に関しては興奮状態が続いていたとして、椅子から落ちて頭を打った可能性を示唆した。80歳男性は病死ではないかとの見方を示した。
施設関係者によると、死傷した入所者はいずれも認知症病棟の2階にいた。当時、2階で職員18人が勤務していた。うち30代の男性職員は5人全員の介助に関わっていたが、17日付で一身上の都合で退職したという。
岐阜県警は病院から連絡を受けて、87歳女性を16日に司法解剖した。胸部には激しい衝撃を加えられた際にできる皮下出血がなかった一方、外部から押さえつけられた際にできる圧迫痕は確認された。高齢者の場合、くしゃみなどでも肋骨が折れる場合があるが、圧迫痕から何らかの外部の力が原因とみている。他の2人については解剖できなかった。
県は施設側からの報告で事態を把握し、18日の立ち入り調査で死傷した5人の介護記録などを持ち帰った。担当者は「非常にまれな事案」としている。
施設は同仁会が1997年8月に開設し、定員100人。要介護認定を受けた高齢者らが短期入所で療養したり、通所でリハビリをしたりしている。【沼田亮、大竹禎之、駒木智一】

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