稲田朋美防衛相は29日、東京・九段北の靖国神社を8月の就任後初めて参拝した。防衛担当閣僚の参拝が確認されたのは2002年8月15日の中谷元・防衛庁長官以来。同神社には東京裁判のA級戦犯が合祀(ごうし)されており、中韓両政府は参拝を批判した。
靖国神社を参拝した稲田防衛相(29日午前、東京・九段北)=共同
安倍晋三首相がオバマ米大統領とともに米ハワイで真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊するアリゾナ記念館を訪問した翌日の参拝となった。真珠湾訪問には稲田氏も同行した。首相は神奈川県茅ケ崎市のゴルフ場で記者団の質問に「ノーコメント」と述べた。
稲田氏は「防衛大臣 稲田朋美」と記帳し、玉串料は私費で納めた。記者団に「防衛相である稲田朋美が一国民として参拝したということだ」と説明。「最も熾烈(しれつ)に戦った日本と米国が今や最も強い同盟関係にある。未来志向に立って日本と世界の平和を築きたいという思いで参拝した」と強調した。
稲田氏は例年、日本が主権を回復した4月28日と、終戦記念日の8月15日に参拝していた。今年の8月は、自衛隊が活動するジブチを訪問して参拝は見送り、全国戦没者追悼式も欠席した。首相がジブチ訪問を勧めるのを受け入れたという。
ただ、稲田氏を支持してきた保守層からは「信念を貫いていくべきだった」との批判があった。今回は中韓両国への配慮より、保守的な自らの信条を優先させた格好。安倍内閣の今村雅弘復興相も今月28日に参拝した。
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