中間報告公表 文部科学省の 組織的な天下りあっせん問題で、 松野博一文科相は21日、 新たに違法な天下りあっせん事案などを17件確認したとする中間報告を公表した。 元高等教育局長が早稲田大の 教授に就いた事例など、 既に判明している10件を含め違法行為は2013~16年で計27件となり、 関与した職員は辞職した前川喜平・ 前事務次官や歴代の 人事課長ら16人にの ぼる。 文科省は追加の 懲戒処分を検討する。
文部科学省の組織的な天下りあっせん問題で、松野博一文科相は21日、新たに違法な天下りあっせん事案などを17件確認したとする中間報告を公表した。元高等教育局長が早稲田大の教授に就いた事例など、既に判明している10件を含め違法行為は2013~16年で計27件となり、関与した職員は辞職した前川喜平・前事務次官や歴代の人事課長ら16人にのぼる。文科省は追加の懲戒処分を検討する。
文科省によると、新たに確認した違法な天下りあっせんの関係先には、上智大や独協大、筑波大、岐阜大などが含まれる。慶応大、愛知学院大などを関係先とする11件は現時点で違法行為が確認できないとした。
上智大の事例は15年10月、文科省から上智大に現役出向していた職員の定年退職が迫ったため、人事課の室長級職員が大学側に後任の候補者を提案。人事課OBの嶋貫和男氏(67)が仲介役となり、上智大に再就職し理事を務めていた別の文科省OBと調整を図った。
筑波大の事例は16年、当時文科審議官を務めていた前川喜平・前事務次官が、筑波大に現役出向していた理事に早期退職を打診。了承を得た前川氏は結果を当時の人事課長にメール送信し「理事の退職後のことは嶋貫氏に頼んでほしい」と依頼した。人事課長は学校法人「文化学園」に理事の情報を伝えたという。
また、岐阜大の事例は15年12月ごろ、人事課室長級職員が、岐阜大関係者から教授として適切な文科省OBがいないか、推薦依頼を受けた。職員は処遇など地位に関する情報を加えたうえで、再度連絡するよう大学に伝えた。
結局、この3件は適任者が見つからないなどの理由でいずれも再就職には至らなかったが、文科省は国家公務員による再就職のあっせんを禁じた国家公務員法に違反すると判断した。
文科省は弁護士らを交えた調査チームを設置し現役職員やOBら計約3500人を対象に書面調査も実施しており、3月末に最終報告を公表するとしている。【佐々木洋】
文科省:違法天下り、新たに17件…16職員関与
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