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米独首脳会談:「NATOは応分の負担ない」繰り返し批判

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対露政策や移民問題、 通商で溝の 深さを浮き彫りに 【ワシントン会川晴之、 清水憲司】 トランプ米大統領とドイツの メルケル首相は17日、 ワシントンで初の 首脳会談を行った。 北大西洋条約機構(NATO)やテロとの 戦いでの 連携強化では一致したもの 、 対ロシア政策や移民問題、 通商では溝の 深さを浮き彫りにした。
【ワシントン会川晴之、清水憲司】トランプ米大統領とドイツのメルケル首相は17日、ワシントンで初の首脳会談を行った。北大西洋条約機構(NATO)やテロとの戦いでの連携強化では一致したものの、対ロシア政策や移民問題、通商では溝の深さを浮き彫りにした。
トランプ氏はNATO加盟国が応分の負担をしていないと繰り返し批判。英国の欧州連合(EU)離脱を称賛するなど、EUの存在意義にも疑問を呈してきた。ドイツもトランプ政権の保護主義的な姿勢に警戒を強めており、首脳会談は主要20カ国・地域(G20)首脳会議議長でもあるメルケル氏が、トランプ氏と一致点を見いだせるかが注目された。
会談後の記者会見で、トランプ氏はメルケル氏が国防費を2024年までに国内総生産(GDP)の2%に増額すると約束したことを高く評価。過激派組織「イスラム国」(IS)とのテロとの戦いなどで米独が協調を続けることも確認した。
一方、ロシア問題では、トランプ氏がウクライナでの停戦を定めるミンスク合意の尊重を表明したことをメルケル氏は評価しつつも、「ロシアとの関係改善は必要だが、停戦合意の確実な実施が先決だ」と述べ、安易に対露制裁の解除に動かないようくぎを刺した。
移民問題ではトランプ氏が「米国民の安全確保が最優先課題だ」と渡航制限が必要との持論を展開。これに対しメルケル氏は「多様性は素晴らしい」と述べ、移民や難民を受け入れる必要性を強調した。
通商政策でも主張の違いは際立った。トランプ氏は「米国は何年も不公正に扱われてきた。私は公正貿易の推進者だ」と述べ、「自由貿易」の代わりに好んで使う「公正貿易」の表現で「米国第一主義」を推進する考えを表明した。
メルケル氏は「経済だけでなく安全や平和の面でも、ドイツの成功と欧州統合はコインの裏表の関係にある」とEUのメリットを強調。トランプ氏が米独2国間の通商交渉に意欲を示したことに対しては、メルケル氏が従来通り「EUが交渉を担当する」との立場を崩さなかった。

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