フランス大統領選の 決選投票が7日、 実施される。 欧州連合(EU)との 連携強化、 自由経済を訴える中道系独立候補エマニュエル・ マクロン元経済産業デジタル相(39)が優位を保ち、 反EU、 保
【パリ=白石透冴】フランス大統領選の決選投票が7日、実施される。欧州連合(EU)との連携強化、自由経済を訴える中道系独立候補エマニュエル・マクロン元経済産業デジタル相(39)が優位を保ち、反EU、保護主義を掲げる極右国民戦線(FN)マリーヌ・ルペン候補(48)が追う。英国の離脱決定で結束が揺らぐEUの将来を左右する選挙となる。 投票所近くに掲げられた中道マクロン氏(右)と極右ルペン氏のポスター(6日、パリ)=浅原敬一郎撮影 仏調査会社Ifopの5日の世論調査による支持率は、マクロン氏63%に対し、ルペン氏37%。終盤で勢いを増したマクロン氏が逃げ切りを図る。投票する人の9割は「もう投票先を変えることはない」と答えている。 投票率の予想は75.5%で、1回目の約78%より下がる見通しだ。投票率が下がれば、熱心な支持層を持つルペン氏に有利に働く可能性がある。 マクロン氏は親EUの公約を掲げ、防衛、国境管理での協力を強めるべきだと主張する。ロシアには基本的に厳しい態度で臨み、移民に寛容だ。 ルペン氏は反EUの立場で、離脱の国民投票実施が公約だ。自由経済を「野蛮」と呼び、海外移転した企業がフランスに製品を輸出する場合に課税するなど、自国第一の姿勢が鮮明だ。移民も厳しく制限する方針だ。 投票は即日開票され、7日深夜(日本時間8日早朝)にも大勢が判明する見通し。どちらの候補が勝っても、1958年に始まった第5共和制下で初めて二大政党に属さない大統領が生まれる。ルペン氏が勝てば初の女性大統領となる。欧州では今年重要な選挙が相次ぎ、英国で6月、ドイツで9月に総選挙がある。