出光興産と昭和シェル石油は9日、 ガソリン生産などで業務提携したと発表した。 原油の 共同調達や製油所の 一体運営を進めて効率化を図る。 両社は合併に向けて協議を進めているが、 出光株の 33・ 92%を持つ出光創…
出光興産と昭和シェル石油は9日、ガソリン生産などで業務提携したと発表した。原油の共同調達や製油所の一体運営を進めて効率化を図る。両社は合併に向けて協議を進めているが、出光株の33・92%を持つ出光創業家側の反対で見通せず、提携を先行させて「統合効果」を出す狙いだ。 両社によると、原油や資材の共同調達や生産システムの統合を段階的に進め、3年以内に年250億円以上のコスト削減を目指す。社員の交流も進め、両社の融和も図るという。7カ所ある製油所の統廃合や人員削減には踏み込まない。 この日はさっそく、両社幹部ら約60人が都内のホテルに集まり、提携の具体策を話し合う初会合を開いた。冒頭で出光の月岡隆社長が「経営統合に向けての大切なステップ。競争力ある体制を構築する」と宣言。昭和シェルの亀岡剛社長も「文化の違う組織が一つになって新たなものが生まれる」と応じた。 ただ、合併の先行きは厳しい。出光経営陣は昨年末、昭和シェル株式の31・3%を取得してグループ会社にした。両社はその後合併する計画だったが、出光創業家の反対で宙に浮いている。この提携を通じて実績を示し、創業家に合併への理解を求める考えだが、応じる気配は見えない。 2月には出光創業家の代理人を…