愛知県新城市富岡の 東名高速道路上り線で１０日午前７時半ごろ、 走行中の 大型観光バスが中央分離帯を飛び越えてきた乗用車と衝突し、 県警はバスの 乗客・ 乗員計４７人の うち、 ３０～７０代の ４５人が負傷したと明らかにした。 乗用車を運転していた浜松市東区有玉北町、 医師、 伊熊正光さん（６２）は車内に閉じ込められ、 救出後に現場で死亡が確認された。 県警は乗用車が対向車線に飛び出した原因を調べている。
愛知県新城市富岡の東名高速道路上り線で１０日午前７時半ごろ、走行中の大型観光バスが中央分離帯を飛び越えてきた乗用車と衝突し、県警はバスの乗客・乗員計４７人のうち、３０～７０代の４５人が負傷したと明らかにした。乗用車を運転していた浜松市東区有玉北町、医師、伊熊正光さん（６２）は車内に閉じ込められ、救出後に現場で死亡が確認された。県警は乗用車が対向車線に飛び出した原因を調べている。
県警高速隊によると、下り線を名古屋方面へ向かって走行していた乗用車が中央分離帯を飛び越え、上り線の追い越し車線を走行していたバスの前部の上方に突っ込む形で衝突した。
バスには乗客４４人と運転手の男性（６８）、ガイド、旅行会社添乗員の計４７人が乗車しており、全員が病院に搬送された。うち乗客６人（男性１人、女性５人）が腕などを骨折する重傷を負い、バスの運転手を含む３９人（男性４人、女性３５人）が軽傷とみられる。乗客らは割れたガラスなどで顔などにけがをした。
現場は新城パーキングエリアの近くで片側２車線。乗用車側から見て緩やかな右カーブ。上下線で高低差があり、下り線側が低く、中央分離帯は上り線側に向かって高さ約７０センチの斜面になっており、上部に高さ約１．５メートルのガードレールが設置されている。
衝突地点の約１００メートル手前のガードレールに、乗用車が飛び越えた際に壊れたとみられる箇所が見つかり、近くの斜面や路面にタイヤ痕があった。斜面がジャンプ台の役目を果たした可能性がある。
乗用車はバスの運転席上部にめり込むような状態で原形をとどめないほど大破し、バスは前部が崩れ、乗用車を載せたまま約３００メートル進んで停車した。
バスの乗客は、地域の旅行に出かけた愛知県豊川市上宿地区周辺の人々で大半が女性。同市の旅行会社「トラベル東海」が旅行を受注し、同県豊橋市の「東神観光バス」がバスを運行していた。両社などによると、一行は１０日午前７時ごろに豊川市を出発し、山梨県内でサクランボ狩りやウイスキー蒸留所の見学をして、午後７時ごろに戻る予定だった。
一方、伊熊さんは自宅から勤務先の愛知県幸田町の病院に向かっている途中。乗っていたのは代車だった。
事故の影響で、東名高速は上下線で豊川インターチェンジ－三ケ日ジャンクション間が約５時間、通行止めとなった。【道永竜命】
