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米、内政優先で公約強行 中東政策、迷走めだつ エルサレム首都認定

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トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの 首都として公式に認め、 米国大使館を現在の テルアビブから移すという選挙公約の 実行に動く。 国際社会やアラブ諸国の 反発をよそに公約の 実現を訴
【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都として公式に認め、米国大使館を現在のテルアビブから移すという選挙公約の実行に動く。国際社会やアラブ諸国の反発をよそに公約の実現を訴え、支持基盤を固める内政の事情を優先した。トランプ政権の中東政策は迷走が目立ち、中東和平の実現はおろか地域の安定を一段と揺るがしかねない。 トランプ大統領の方針は中東地域を不安定にする懸念がある =ロイター 「米国大使館の物理的な場所が、和平交渉にとって重要な要素ではないのは明らかだ」「和平実現に向けて適切なタイミングであり、正しいステップだ」。米政府高官は5日、今回の決定についてこう強弁した。 パレスチナ国家とイスラエルの受け入れを前提に共存をめざす「2国家共存」も支持する考えを示した。だが、米歴代政権は、エルサレムの地位は和平交渉を通じて決まるという立場をとってきた。これを覆す今回の決定は中東和平交渉の「仲介役」を事実上、放棄することを意味する。 政策転換の背景には、公約実現を期待する支持層の存在がある。米調査会社ピュー・リサーチ・センターによると、トランプ氏の支持基盤と重なる共和党保守派は79%が中東和平問題でイスラエルを支持し、パレスチナ支持はわずか4%(2016年の調査)。民主党リベラル系ではそれぞれ33%、40%とパレスチナ支持が上回る。 税制改革は光明が見えてきたものの、他の政策課題はなお実現のめどが立たず、低支持率にあえぐトランプ政権。ロシアとの不透明な関係をめぐる「ロシア疑惑」が拍車をかけ、政権浮揚の展望は開けていない。支持基盤をつなぎ留めておきたい心理が透ける。 トランプ政権は10月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)が反イスラエル的な姿勢を続けているとして同機関からの脱退を宣言した。イスラエルが強く反対してきたイラン核合意もなお破棄をちらつかせる。親イスラエルの姿勢は鮮明だ。 トランプ氏の娘婿クシュナー大統領上級顧問をはじめ、ムニューシン財務長官やコーン国家経済会議委員長ら政権の中枢ポストはユダヤ系米国人が多い。娘のイバンカ氏は結婚を機にユダヤ教に改宗した。 オバマ前政権は16年末にイスラエルの入植活動を非難する国連決議で拒否権を行使せず、採択を容認した。イラン核合意に動いたオバマ氏へのイスラエルの不満はこれで頂点に達した。これを改める親イスラエルの姿勢は、トランプ氏がこだわる前政権の政策の否定にもつながる。 トランプ政権の中東政策の柱は、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討だった。イラクやシリアのIS拠点を次々に陥落させ、この点では一定の成果をみせた。 ただ、それ以外では危うさばかりが目立つ。核合意への批判は地域の大国イランを再び核開発に追い込む恐れをはらむ。サウジアラビアで近い将来の権力掌握をめざすムハンマド皇太子の後ろ盾となり、その強硬路線が加速する。サウジアラビアなど湾岸諸国とカタールの断交問題は中立の立場で調停をめざした国務省の方針に反し、トランプ氏はサウジに一方的に肩入れした。 イラン核合意の破棄を警告しながら実際には動けないように、エルサレムにある米総領事館の看板を掛け替えれば済むはずの大使館の移転も数年かける可能性がある。米総領事館は5日、イスラエル国内の米国人に人混みは避けるよう促した。

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