「日本、 心から謝罪を」 【ソウル米村耕一】 韓国の 文在寅(ムン・ ジェイン)大統領は10日、 新年の 記者会見を開いた。 冒頭の 「新年の 辞」 で、 韓国外務省が再交渉や破棄はしないとの 立場を9日に発表した慰安婦問題に関する2015年12月の 日韓両政府合意について、 「韓日の 公式合意であることは否定できず日本との 関係改善も極めて重要だが、 間違った結び目はほどかなければならない」 と述べ、 合意履行に否定的な姿勢を示した。 一方、 北朝鮮との 関係では「任期中に核問題を解決することが目標だ」 と述べた。 文氏はまた、 南北首脳会談について「条件が整い必要なら、 可能性は開かれている」 と前向きの 姿勢を示した。
【ソウル米村耕一】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日、新年の記者会見を開いた。冒頭の「新年の辞」で、韓国外務省が再交渉や破棄はしないとの立場を9日に発表した慰安婦問題に関する2015年12月の日韓両政府合意について、「韓日の公式合意であることは否定できず日本との関係改善も極めて重要だが、間違った結び目はほどかなければならない」と述べ、合意履行に否定的な姿勢を示した。一方、北朝鮮との関係では「任期中に核問題を解決することが目標だ」と述べた。文氏はまた、南北首脳会談について「条件が整い必要なら、可能性は開かれている」と前向きの姿勢を示した。
文氏は慰安婦問題について「二度とこうした残酷な出来事が起きないように、人類社会の教訓を残すために共に努力していく」と述べた。そのうえで、「政府として被害者のおばあさんたちの名誉と尊厳を回復する。心の傷を癒やす措置を取っていく」と訴えた。また「日本が心から謝罪してこそ(慰安婦の)おばあさんたちも日本を許せるだろう」と述べた。
日本が支出した10億円については「日本、おばあさんたち、支援団体が話し合う必要がある」と発言した。
日韓関係全般については「日本とは心の通じる本当の友人になることを望んでいる」と呼びかけた。さらに「北朝鮮の核問題はもちろん、多様で実質的な分野で緊密な協力ができると信じている」とも指摘。歴史問題と安全保障や経済などの問題での協力とを分離する「2トラック」外交の継続を改めて強調した。
慰安婦合意については、康京和(カン・ギョンファ)外相が9日に再交渉や破棄はしないと明言する一方で、日本側の自発的な謝罪などを要求。日本政府が拠出した10億円で韓国政府が設立した「和解・癒やし財団」の取り扱いについては、担当の女性家族省などが広範囲な意見聴取を経て結論を出すとの玉虫色の立場を表明している。
文氏は南北会談については、「閉ざされていた南北対話が復元され、北朝鮮の平昌(ピョンチャン)冬季五輪への参加でも合意した」と成果を強調。「これからが始まりだ」と南北関係転換の契機となるとの見方を示した。
そのうえで平昌五輪の成功を、北朝鮮の核問題の解決へとつなげたいとの意欲を示した。そのためにも、南北関係の本格的な改善には核問題の解決が不可欠との立場を強調。北朝鮮核問題の解決と平和定着のために「さらなる多くの対話と協力を引き出していきたい」と語り、南北対話活発化への意欲を示した。