韓国と北朝鮮は９日、 約２年ぶりの 南北協議となる閣僚級会談を、 軍事境界線の ある板門店（パンムンジョム）で開いた。 北朝鮮は２月の 平昌冬季五輪に参加する意向を正式に表明。 韓国側は北朝
【ソウル＝鈴木壮太郎】韓国と北朝鮮は９日、約２年ぶりの南北協議となる閣僚級会談を、軍事境界線のある板門店（パンムンジョム）で開いた。北朝鮮は２月の平昌冬季五輪に参加する意向を正式に表明。韓国側は北朝鮮に核やミサイルによる挑発の中断と非核化に向けた対話の再開を要求した。双方は共同報道文の発表に向けて、個別項目の交渉を続けた。 南北会談で握手する韓国の趙明均統一相（左）と北朝鮮の祖国平和統一委員会の李善権委員長（９日、板門店）＝ＡＰ 板門店の韓国側施設「平和の家」で開いた会談には、韓国側が趙明均（チョ・ミョンギュン）統一相を首席代表に統一省ら５人が出席。北朝鮮側は首席代表の祖国平和統一委員会の李善権（リ・ソングォン）委員長をはじめ対南政策の専門家ら５人が参加した。 韓国側説明によると、北朝鮮側は冒頭の全体会合で、平昌冬季五輪に高官級代表団や選手団、応援団を派遣すると表明。韓国側は南北共同の入場行進と応援を提案した。 さらに韓国は、南北で生き別れた離散家族の再会事業を２月の旧正月期間に実施するため、南北赤十字会談を開くよう要請。偶発的な衝突を防ぐため、軍事当局者間の会談も改めて提案した。 核・ミサイル問題では、韓国が北朝鮮に「緊張を高める行為を中止し、非核化など平和定着に向けた対話の再開が必要」と主張した。だが、北朝鮮は「平和を確保して和解と団結を図り、対話と交渉で問題を解決しよう」と述べるにとどめた。 北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）委員長は１日の新年の辞で、平昌五輪に「選手団を送る用意がある」と言及した。韓国の専門家の多くは、双方の首脳とも一致する「五輪参加」については合意が可能とみている。 ただし、北朝鮮は平昌五輪参加の条件として、米韓が五輪後への延期で合意した定例合同軍事演習の中止や縮小を要求するとの観測もある。北朝鮮が五輪参加にどんな条件を付け、双方が折り合えるかが注目される。
