【平昌・ 神足俊輔、 米村耕一、 福岡静哉】 平昌五輪は１０日、 韓国と北朝鮮の アイスホッケー女子合同チーム「コリア」 が、 スイスと対戦した。 観客は統一旗を振って応援し、 南北融和の 雰囲気が会場を包んだ。 一方で、 韓国の 文在寅（ムン・ ジェイン）大統領が北朝鮮の 金永南（キム・ ヨンナム）最高人民会議常任委員長や国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）の バッハ会長らと観戦するなど、 政治的な影も見え隠れした。
【平昌・神足俊輔、米村耕一、福岡静哉】平昌五輪は１０日、韓国と北朝鮮のアイスホッケー女子合同チーム「コリア」が、スイスと対戦した。観客は統一旗を振って応援し、南北融和の雰囲気が会場を包んだ。一方で、韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領が北朝鮮の金永南（キム・ヨンナム）最高人民会議常任委員長や国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）のバッハ会長らと観戦するなど、政治的な影も見え隠れした。
会場になった江陵（カンヌン）の関東ホッケーセンターには、観客が長い列を作った。大会前は「韓国選手の出場機会を奪った」として批判を集めたが、開会式の合同行進でも掲げられた「統一旗」の小旗を振ったり、「北朝鮮を歓迎する」と書いた横断幕を持ったりした学生らがいた。リンクに朝鮮半島の形と「ＫＯＲＥＡ」の文字がプリントされたユニホームを着た選手が登場すると、観客は大声援で迎えた。多くは韓国国旗と統一旗の２本の小旗を持ち、一つ一つのプレーに歓声を上げた。
スタンドには、そろいの赤いジャンパーを着た北朝鮮の「美女軍団」と呼ばれる女性応援団の姿も。１００人以上の一団が手拍子しながら歌うと、戸惑いつつも手拍子を合わせる韓国人もいた。
試合中、応援団は「イギョラ！（勝て！）」「ヒムネラ！（頑張れ！）」と声を張り上げ、ピリオド間には「私たちは一つ。統一！統一！」と声をそろえた。試合はスイスが８－０で勝った。
ソウル市の文秀千（ムン・スチョン）さん（５７）は、１０日の首脳級会談で文大統領が訪朝を要請されたことに触れ「五輪をきっかけに対話の可能性が高くなった。開会式で南北のアイスホッケー女子選手が上った聖火台の階段と同じように統一への道は険しいが、努力していく必要がある」と語った。
スピードスケート・ショートトラック男子には、１５００メートルの予選第３組に北朝鮮のチェ・ウンソンが出場した。他の組は６選手で滑走したが、北朝鮮が土壇場で参加を表明したこともあり、３組は７人で競った。
観戦に訪れたソウル市の男性（６２）は「明らかに政治と関連している。政治利用すべきでない」と批判的だった。チェは６着で、レース後に同じ組で滑った韓国のファン・デホンとすれ違う場面もあったが、視線を交わすことはなかった。
