打者として本拠地で鮮烈なインパクトを残してきたが、 「投手・ 大谷」 を地元ファンにお披露目するの は初めてだ。 期待が高まる中での マウンド。 初回に3者連続三振を奪うと、 圧巻の 奪三振ショーが始まった。 前回も
打者として本拠地で鮮烈なインパクトを残してきたが、「投手・大谷」を地元ファンにお披露目するのは初めてだ。期待が高まる中でのマウンド。初回に3者連続三振を奪うと、圧巻の奪三振ショーが始まった。 大谷はアスレチックス打線から12個の三振を奪った=AP 前回も有効だったフォークボールが序盤からさえた。「僕の特徴であり、投げないといけない球」。アスレチックス打線は勝負球と分かっていても全くタイミングが合わず、バットに当たらない。外野の電光掲示板に表示された「K」が増えていくにつれ、4万4千人を超す観客のボルテージは上がり、熱気を帯びていった。 無安打投球を続けていたことは「五回くらいに気づいた」という。一人の走者も出さず、完全試合の予感が漂い始める。七回1死。2番セミエンに左前に打たれて快挙は消えた。だが、すぐに場内は総立ちになり、拍手を送ってたたえた。「いつ(安打が)出るか、という感じで待っていた。打たれたときにどう気持ちを整理して次の打者に向かうかが大事だと思っていた」 大谷に大きな声援を送る地元ファンら=AP 続く打者に四球を与えたのは反省点だったが、ねじを巻き直し、2死二、三塁でオルソンから12個目の三振。珍しく雄たけびを上げて高ぶった感情を素直に表した。「七回は声援でなんとなく抑えられる雰囲気をつくってもらった」と大谷。 アスレチックスは前回初勝利を挙げた相手。1週間後の再戦には難しさもあっただろうが、問題にしなかった。適応に苦しんだキャンプを考えれば、2連勝という出だしは「想像できなかった」。開幕から10試合を経過したばかりだが、投打で高い次元にいることは証明されつつあるだろう。 (渡辺岳史)