児童虐待の 件数は年々増加している。
東京都目黒区で5歳の女児が虐待を受けて死亡したとされる事件を受け、政府は児童虐待防止の対策案をまとめた。2022年度までに児童相談所(児相)の児童福祉司を約2千人増やす新プランを策定することと、児相職員が子どもの姿を見て安全を確認できなければ立ち入り調査を原則とすることが柱。20日に行われる関係閣僚会議で決定する。
児童虐待の件数は年々増加しており、16年度に児相は12万2575件に対応。06年度から16年度にかけて件数は3・3倍に増えた。一方、対応にあたる児童福祉司は1・4倍の増加にとどまっている。
新プランでは人手不足が指摘されている全国の児相の体制強化として、19~22年度の4カ年で、3253人(17年度末見込み)の児童福祉司を約2千人増やす。児童福祉司は国家資格ではなく、医師や社会福祉士などの資格を持った人や、大学で社会学や心理学を学んだ人など条件を満たす人たちの中から自治体が任用する。国は地方交付税の増額なども検討し、自治体に任用を促す考えだ。
これに伴い、政府は現在取り組んでいる児相強化プラン(16~19年度)について、19年度に見直す予定を前倒しして18年度中に新プランを作成し、19年度から実施する。虐待の相談窓口がある市町村の体制強化についても盛り込む方針。具体策は今後検討する。
(朝日新聞デジタル 2018年07月20日 08時42分)