Домой Japan Japan — in Japanese 「生きていて」届かず 救助専門家たち犠牲

「生きていて」届かず 救助専門家たち犠牲

333
0
ПОДЕЛИТЬСЯ

どんな形でもいいから生きていてくれ--。 そう念じ必死で捜索・ 救助に当たった同僚たちは悲しみに包まれた。 群馬県防災ヘリコプター「はるな」 の 墜落事故から一夜明けた11日、 乗員9人全員の 死亡が確認された。 この うち吾妻広域消防本部(群馬県東吾妻町)の 5人はいずれも40代で「救助の スペシャリスト」 として地元
どんな形でもいいから生きていてくれ--。そう念じ必死で捜索・救助に当たった同僚たちは悲しみに包まれた。群馬県防災ヘリコプター「はるな」の墜落事故から一夜明けた11日、乗員9人全員の死亡が確認された。このうち吾妻広域消防本部(群馬県東吾妻町)の5人はいずれも40代で「救助のスペシャリスト」として地元の期待を背負っていた。【神内亜実、三股智子、西銘研志郎、吉田勝】
ヘリに乗っていた吾妻広域消防本部の塩原英俊さん(42)と10年以上の付き合いがある自営業、斉藤利浩さん(42)=群馬県中之条町=は11日午後、「うそだろって。信じられない現実という感じ」と空を見つめた。
ヘリが墜落した10日昼過ぎ、「塩原が乗っているらしい」と知人から電話があった。「まさか」。夕方のテレビで乗員の名前を目にした瞬間、絶句した。
塩原さんは中学のバスケットボール部の1年後輩。社会人になってからは地元の集まりなどで顔を合わせるようになり、互いの子どもが同じ中学の運動部に入った時には、塩原さんが「よろしく頼むぜ」と言ってきた。「どうにかして命だけは助かってほしい。祈るしかねえ」。地元の人たちと無事を信じた。
死亡が確認された県防災航空隊の岡朗大(あきひろ)さん(38)は、アルペンスキーで国体に出場するほどの腕前だった。県内自治体の消防職員から防災航空隊勤務を志願したといい、スキー仲間の久保田悟さん(42)=群馬県草津町=は、岡さんが「常に危険と隣り合わせなんだよ」と話していたことを思い出す。
岡さんと家族ぐるみのつきあいがあるという同町の理髪店経営、畑井友江さん(61)も「けがだけで済んでくれればと心配していたが、まさか信じられない」と涙をこぼした。
県防災航空隊長、小沢訓さん(44)の消防の先輩男性(51)は11日、全員の死亡が確認されると、がっくりと肩を落とした。「仕事に妥協のない男。ユーモアもリーダーシップもあり慕われていた」と寂しげに語った。
搭乗していた消防隊員5人が所属する吾妻広域消防本部の山田圭一警防課長は、5人について「救助のスペシャリストを集めて視察に参加してもらっていた。言葉がない」と沈痛な表情で語った。
「これがヘリコプターなのか」。11日早朝から同僚らの救出に当たった吾妻広域消防本部西部消防署の黒岩賢一副署長(50)は、原形をとどめない鉄の塊が急斜面に横たわっているのを目撃したという。前日まで飛行していた機体とは感じることができなかった。
消防や自衛隊員ら約130人は午前5時20分ごろ、群馬・長野県境の渋峠(しぶとうげ)北西のスキー場から入山。途中から登山道はなく、険しい斜面は前日の雨でぬかるんでいたが、乗っていた9人のうち5人が同消防本部の仲間だったこともあり、一刻も早くたどり着きたかった。通常でも2時間かかる行程を1時間半で到着した。
発見した機体はローターが外れ、一部に穴が開いていた。機体が斜面をずり落ちる危険性があり、真上には倒れそうな木もあった。周囲には燃料の臭いが漂っており、隊員らはガス検知管で危険がないことを確認し、機体と木をロープなどで固定。油圧カッターで機体を解体しながら、残されていた7人全員を航空自衛隊などのヘリで搬送した。
午後に下山した黒岩副署長は「これからの吾妻消防をしょって立つ人を失い、非常に悲しい思いでいっぱい。地域住民にとっても貴重な財産を失った」と涙を浮かべた。
救助活動に加わった陸上自衛隊員の後藤信広さん(40)も「我々と同じ公の業務をする方々が犠牲になった。尊い9人の命が失われたのはとても残念だ」と唇をかんだ。【土江洋範】

Continue reading...